クジラと話す方法
「動物と話してみたい」人類はその夢にどこまで近づいたのか? 巨大海獣とビッグデータが出会う最前線の旅へ――!
- 定価
- 2,530円(本体 2,300円)
- 刊行
- 2023/10/24
- ISBN
- 9784760155422
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 412
- ジャンル
- 自然科学・建築
内容・目次
内容
「動物と話してみたい」
人類はその夢にどこまで近づいたのか?
巨大海獣とビッグデータが出会う最前線の旅へ――!
■あらすじ
2015年、ザトウクジラが海から飛び出し、私の上に落ちてきた。奇跡的に無傷で生還するも、知人の専門家に後日こう言われた。「助かったのは、クジラがぶつからないように配慮したからでしょう」。もちろん、なぜそうしたのと尋ねるなんて不可能ですが、という一言も添えて……。しかしその後、「動物用のグーグル翻訳」の開発を目指す二人の若者が私のもとを訪ねてきた。そもそもなぜ、クジラと人間は話せないのか? シリコンベースの知能が炭素ベースの生命に向けられたとき、動物と人間の関係はどう変化していくのか?
――本書は、国際的評価の高い映像作家である著者が、生物学の世界で起こる革命を丹念に追ったドキュメントであり、Amazon Books編集部が選ぶ「ベスト一般向け科学書2022」のTOP10、『ニューヨーカー』誌が選ぶ「必読書2022(ノンフィクション部門)」に選出された。このたびの日本語版では、71点の図版と2023年のペーパーバック版に加えられたロジャー・ペイン(ザトウクジラの歌を発見した海洋生物学者)への追悼文ともいえる「あとがき」を完全収録。人類と動物の幸福な未来、よりよいコミュニケーションのあり方を模索したいと願うすべての人に贈る一冊。
※本書は以下をもとに日本語訳したものである。Tom Mustill, How to Speak Whale: A Voyage into the Future of Animal Communication (William Collins, 2022)。2023年刊行のペーパーバック版の加筆修正も反映している。
【著者略歴】
トム・マスティル〈Tom Mustill〉
生物学者から映画製作者兼作家に転身。人間と自然が出会う物語を専門とする。グレタ・トゥーンベリやデイヴィッド・アッテンボローといった著名な環境活動家や動物学者と共同で制作した作品により、数々の国際的な賞を受賞。それらの作品は、国連やCOP26(気候変動枠組条約第26回締約国会議)で上映されて話題になり、各国の首脳、WHO、ロックバンド「ガンズ・アンド・ローゼズ」にシェアされる。鯨類保護の取り組みが認められ、「世界クジラ目連盟」(World Cetacean Alliance)のアンバサダーにも選出。作家として初めての作品である本書は、Amazon Books編集部が選ぶ「ベスト一般向け科学書2022」のTOP10にランクイン。現在、妻のアニー、二人の娘のステラとアストリッドと一緒にロンドンで暮らしている。
【訳者略歴】
杉田 真〈すぎた・まこと〉
英語翻訳者。日本大学通信教育部文理学部卒業。訳書に、『世界滅亡国家史――消えた48か国で学ぶ世界史』(サンマーク出版)、『武器化する世界――ネット、フェイクニュースから金融、貿易、移民まであらゆるものが武器として使われている』(原書房)、『語り継がれる人類の「悲劇の記憶」百科図鑑――災害、戦争から民族、人権まで』(共訳、原書房)など。
目次
序章 ファン・レーウェンフックの決断
第1章 登場、クジラに追われて
第2章 海の歌声
第3章 舌のおきて
第4章 クジラの喜び(ジョイ)
第5章 「体がでかいだけの間抜けな魚」
第6章 動物言語を探る
第7章 ディープマインド――クジラのカルチャークラブ
第8章 海にある耳
第9章 アニマルゴリズム
第10章 愛情深く優雅な機械
第11章 人間性否認
第12章 クジラと踊る
あとがき 耳を傾けて
謝辞
図版クレジット
原注