柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

虚像の織田信長 覆された九つの定説

我慢強く、保守的、権威への敬意――従来の「短気な革新的独裁者」のイメージを一新する、信長神話の「嘘」と「真実」

定価
1,980円(本体 1,800円)
刊行
2020/01/23
ISBN
9784760151929
判型
四六判
ページ数
280
ジャンル
歴史・地理

内容・目次

内容

「短気な独裁者」「軍事の天才」「自ら神になろうとした男」……一般的に広く知られる織田信長のイメージ。しかし、最新の研究が示すのは、天皇・将軍の権威を尊重し、柔軟に家臣に接し、宗教や芸術への深い理解を示した天下人としての人物像である。「対室町幕府」「対朝廷」「家臣団統制」「戦術・兵法」「外交政策」「経済政策」「城郭建築」「宗教」「芸術」、九つの側面から、稀代の英傑の「虚像」と「実像」を明かす!


編者紹介
渡邊大門(わたなべ・だいもん)
1967年神奈川県生まれ。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、株式会社歴史と文化の研究所代表取締役。主な著書に、『戦国誕生中世日本が終焉するとき』(講談社現代新書、2011年)、『戦国の交渉人外交僧・安国寺恵瓊の知られざる生涯』(洋泉社歴史新書、2011年)、『逃げる公家、媚びる公家――戦国時代の貧しい貴族たち』(柏書房、2011年)、『戦国の貧乏天皇 』(柏書房、2012年) 、『関ヶ原合戦は「作り話」だったのか? 一次史料が語る天下分け目の真実』(PHP新書、2019年)、『明智光秀と本能寺の変』(ちくま新書、2019年)、『光秀と信長 本能寺の変に黒幕はいたのか』(草思社文庫、2019年)ほか


目次

第一章 足利将軍家に対する信長の意外な「忠誠」――秦野裕介第二章 実は「信頼関係」で結ばれていた信長と天皇――秦野裕介

第三章 家臣団統制に見る「独裁者信長」の虚像――千葉篤志

第四章 緩急自在の外交政策が示す信長の「我慢強さ」――片山正彦

第五章「天才的」とは言い切れない信長の「兵法」――渡邊大門

第六章 信長の作った城郭・城下町、その「幻想」と「現実」――光成準治

第七章 信長の経済政策の「革新」と「保守」――廣田浩治

第八章「無神論者」とはほど遠い、信長の信心深さ――渡邊大門

第九章 教養をうかがわせる趣味人・信長――八尾嘉男