ジョー・グールドの秘密
「やつの名はジョー・グールド、世界の歴史上、 一番長い本を書こうとしてる男です」ジョゼフ・ミッチェル作品集、完結!
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2018/12/10
- ISBN
- 9784760150748
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 292
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
- シリーズ
- ジョゼフ・ミッチェル作品集(全4巻)
内容・目次
内容
「やつの名はジョー・グールド、世界の歴史上、一番長い本を書こうとしてる男です」
ある日、目の前に現れたのは、風変わりなひとりの老人。出会いが作家の人生と、その作品を変えてゆくーーニューヨークの路地裏に生まれ、今なお、輝きを放つノンフィクションの傑作。ミッチェルの語りを存分に楽しめる、マンハッタンを舞台にしたノンフィクション短編と、彼の最高傑作とうたわれた「ジョー・グールドの秘密」を収録。ジョゼフ・ミッチェル作品集、完結!
「するとだしぬけに、『口述史』のアイディアが浮かんできた。(略)おれにとって意味がありそうな話を片っ端から書き留める。他人にとって退屈だろうと馬鹿げていようと、下品だろうが淫らだろうが知ったことじゃない。(略)くどくどしい会話に短くきっぱりした会話、才気にあふれた会話に愚にもつかない会話、毒舌、謳い文句、品のない意見、口論の断片、酔っ払いや狂人のつぶやき、物乞いや浮浪者の哀願、売春婦の誘い文句、香具師や行商人の口上、辻説法師の説教、夜中の悲鳴、根拠のない噂、心の叫び。おれはその場で(略)常雇いの仕事は飢えて死にそうにならないかぎりやらない、(略)と決めた」(本文より)
【著者紹介】
ジョゼフ・ミッチェル Joseph Mitchell
1908年、米国ノースカロライナ州生まれ。1929年にニューヨークへ出て、「ニューヨーク・ワールド」紙、「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」紙、「ニューヨーク・ワールド・テレグラム」紙に記者として勤める。1938年から「ニューヨーカー」誌のスタッフライターとなり、寡作ではあるが同誌の最も優れた書き手のひとりと謳われた。1996年歿。
【訳者紹介】
土屋晃(つちや・あきら)
英米文学翻訳家。主な訳書に、ミッチェル『マクソーリーの素敵な酒場』、ウィットマン『FBI美術捜査官 奪われた名画を追え』(ともに柏書房)、キング『ジョイランド』、ディーヴァー『追撃の森』『限界点』(ともに文藝春秋)、カッスラー&スコット『大諜報』(扶桑社)、ガルシア『レポメン』 (新潮社)、トイン『ザ・キー』(アルファポリス)などがある。
【訳者紹介】
山田久美子(やまだ・くみこ)
英米文学翻訳家。主な訳書に、ミッチェル『さよなら、シャーリー・テンプル』(柏書房)、キング『シャーロック・ホームズの愛弟子』、ガーディナー『心理検死官ジョー・ベケット』(いずれも集英社)、ウォーカー『緋色の十字章』、キング『パリの骨』、ミルフォード『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』(いずれも東京創元社)などがある。
目次
ダッチ提督
ブロードウェイの辻説教師
ジプシーの王
ろうあ者クラブ
グレート・サウス・ベイの一日
バービー氏のテラピン
フーディーニのピクニック
ジョー・グールドの秘密
解説 青山南