赤い鳥事典
児童文学のみならず、日本文学に大きな影響を与えてきた雑誌『赤い鳥』。創刊100周年を記念する総合的事典。
- 定価
- 14,300円(本体 13,000円)
- 刊行
- 2018/07/24
- ISBN
- 9784760149414
- 判型
- A5
- ページ数
- 664
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
内容・目次
内容
児童雑誌『赤い鳥』が創刊されたのは、ちょうど100年前の1918(大正7)年。『赤い鳥』は、単なる子ども向け雑誌ではない。童話、童謡、自由詩、自由画、綴り方、科学読物が満載で、子どもたち、学校の先生、保護者、市民が読み、交流するメディアだった。
泉鏡花、芥川龍之介、有島武郎、谷崎潤一郎、島崎藤村、小山内薫、北原白秋、西條八十、清水良雄、武井武雄、成田為三、山田耕筰など、当代随一の作家、詩人、劇作家、画家、作詞家、作曲家たちが、主宰者鈴木三重吉の呼びかけに応え、次から次へと力を込めた作品を寄せた。
芥川龍之介「蜘蛛の糸」、有島武郎「一房の葡萄」、新美南吉「ごんぎつね」も、幼い頃口ずさんだ北原白秋の「雨」「からたちの花」「この道」、西條八十「かなりや」も、すべて『赤い鳥』から生まれた。
手に取る子どもたちはあらんかぎりの想像を膨らませ、自由に歌った。自由詩、童謡、自由画、童話、作曲を創作し、日本の児童文化を華々しく輝かせた雑誌。
本書は、『赤い鳥』にまつわるあらゆるテーマを7部構成で配列、178人の執筆陣が存分にその魅力を展開する。『赤い鳥』ゆかりの記念館、文学館、図書館、音楽館などの情報も多数掲載。カラー口絵、充実の索引を完備した初の総合事典である。
★『赤い鳥』に携わった主な執筆陣
鈴木三重吉、北原白秋、芥川龍之介、島崎藤村、有島武郎、井伏鱒二、菊池寛、内田百閒、豊島与志雄、宇野浩二、小川未明など。
★『赤い鳥』再話のもととなった海外作家
ハンス・クリスチャン・アンデルセン、ルイス・キャロル、アントン・チェーホフ、マーク・トウェイン、レフ・トルストイ、ラフカディオ・ハーン、オスカー・ワイルドなど。
★『赤い鳥』から育った才能
作家として新美南吉、坪田譲治、塚原健二郎など。童謡詩人として与田凖一、巽聖歌、柴野民三、小林純一、清水たみ子など。童謡作曲家として山田耕筰、成田為三、草川信など。
★文学にとどまらない「赤い鳥」の魅力
表紙絵として清水良雄、鈴木淳、深沢省三、山本鼎などの画家。科学読物では内田亨、少年少女劇では劇作家の久保田万太郎、楠山正雄、小山内薫など。
◎《正誤表》
このたびは弊社刊『赤い鳥事典』の記述につき誤りがありました。お詫びとともに訂正させていただきます。
http://www.kashiwashobo.co.jp/news/n27204.html をご覧ください。
目次
第1部 『赤い鳥』とその時代
1 『赤い鳥』の誕生
2 『赤い鳥』と海外
3 『赤い鳥』メディア
4 『赤い鳥』の影響
5 『赤い鳥』の編集者
6 『赤い鳥』と教科書
7 『赤い鳥』の研究
第2部 鈴木三重吉とその作品
第3部 『赤い鳥』の作家と作品
1 読みもの
2 童謡
3 音楽
4 美術
第4部 『赤い鳥』と子どもたち
1 児童自由詩
2 綴り方
3 自由画
4 童話・通信・投稿
第5部 『赤い鳥』のことば
第6部 『赤い鳥』関係の記念館・資料館・文学館
第7部 資料