私鉄郊外の誕生
近代日本の都市「郊外」は「私鉄」によってつくられた! 沿線図・路線図、充実の索引でその特質が一挙にわかる。オールカラー!
- 定価
- 3,740円(本体 3,400円)
- 刊行
- 2017/08/10
- ISBN
- 9784760148882
- 判型
- A5
- ページ数
- 296
- ジャンル
- 自然科学・建築
内容・目次
内容
あなたの住む街は、どのように開発され、形成されてきたのか? 郊外開発の研究者が、私鉄沿線別に郊外の成立をわかりやすく解説する。
〈編者〉
片木 篤 (名古屋大学大学院環境学研究科教授)
〈執筆者〉 ※執筆順
木方十根 (鹿児島大学学術研究院理工学域工学系教授)
堀田典裕 (名古屋大学大学院工学研究科助教)
安野 彰 (日本工業大学工学部建築学科教授)
内田青蔵 (神奈川大学工学部建築学科教授)
土屋和男 (常葉大学造形学部造形学科教授)
中野茂夫 (島根大学大学院総合理工学研究科教授)
昌子住江 (NPO法人アクションおっぱま理事長、神奈川大学大学院法学研究科非常勤講師)
水沼淑子 (関東学院大学人間共生学部教授)
中島明子 (和洋女子大学名誉教授)
中嶋節子 (京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
橋寺知子 (関西大学環境都市工学部建築学科准教授)
橋爪紳也 (大阪府立大学大学院経済学研究科教授、大阪府立大学観光産業戦略研究所長)
角野幸博 (関西学院大学総合政策学部教授)
砂本文彦 (神戸女子大学教授)
箕浦永子 (九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門助教)
目次
はじめに
Ⅰ 東日本
〈東京急行電鉄〉
田園都市株式会社の夢の跡――洗足・田園調布(片木篤)
五島慶太による学園都市――大岡山・日吉(木片十根)
〈小田急電鉄〉
学園が自ら作った学園都市――成城学園・玉川学園(片木篤)
「林間」のグランドデザイン――林間都市(堀田典裕)
〈京王電鉄〉
失われた温泉リゾートと近代建築――京王閣と多摩川原遊園地(安野彰)
神田川の段丘を拓く――「新東京」分譲地と浴風園(片木篤)
〈西武鉄道〉
同郷・同職の友人たちが創った街――城南田園住宅組合住宅地(内田青蔵)
堤康次郎による学園都市――大泉・小平・国立(木片十根)
〈東武鉄道〉
下町のターミナル「水都東京」の変貌とともに――旧業平橋駅と浅草駅(土屋和男)
遊歩道とクルドサックのある街――常盤台(土屋和男)
〈京成電鉄〉
海浜別荘地から保健住宅地へ――京葉のウォーターフロント開発(中野茂夫)
〈京浜急行電鉄〉
水辺を生かした住宅地――生麦住宅地と八丁畷分譲地(昌子住江)
リゾートとミリタリー・ベース――三浦半島の二つの貌(水沼淑子)
〈東京地下鉄(東京メトロ)〉
堤康次郎による最初の郊外開発――目白文化村(中島明子)
再考すべき都市居住のモデル――同潤会のアパートメントハウス(安野彰)
〈東京都営地下鉄〉
東京北郊の「山」の変容――曖依村荘・渡辺町・大和郷(片木篤)
Ⅱ 中日本
〈近畿日本鉄道〉
鉄道利用から自動車利用の行楽へ――北勢のレジャー開発(片木篤)
神都と補陀落を結ぶツーリズム――「神都計画」から「三重サンベルトゾーン」へ(堀田典裕)
〈名古屋鉄道〉
郊外産業鉄道の沿線開発――松ヶ丘文化住宅地と犬山遊園地(堀田典裕)
知多半島における住宅開発――「新舞子文化村 松波園」「なるみ荘」「たつみケ丘住宅地」(堀田典裕)
〈名古屋市営地下鉄〉
「大名古屋」縁辺における都市デザイン――名古屋市電の郊外遊興地・住宅地開発(堀田典裕)
Ⅲ 西日本
〈阪急電鉄〉
阪急沿線というライフスタイル――池田室町・雲雀丘(中嶋節子)
大阪北郊の田園都市――千里山住宅地(橋寺知子)
〈京阪電気鉄道〉
京阪電鉄による「鬼門」の開発――香里園・枚方(橋爪紳也)
〈近畿日本鉄道〉
生駒山を巡る住宅地開発――「生駒山麗小都市計画」と「学園前住宅地」(堀田典裕)
御陵のある街――藤井寺「花苑都市」と「神都」橿原(片木篤)
〈南海電気鉄道〉
海浜リゾートの誕生――浜寺・高師浜(橋爪紳也)
遅れて実現された田園都市――大美野田園都市から橋本林間田園都市へ(片木篤)
〈阪神電気鉄道〉
近郊リゾートから高級住宅地へ――甲子園(角野幸博)
〈大阪市営地下鉄〉
海から山のフロンティアへ――大阪港と千里・泉北ニュータウン(片木篤)
〈山陽電気鉄道〉
海峡を見下ろす斜面の住宅地化――舞子・垂水(砂本文彦)
〈西日本鉄道〉
民間と公共による「郊外」の形成――香椎花園前(箕浦永子)
Ⅳ 総説
私鉄郊外の開発と生活―空間の再編(片木篤)
あとがき
索引