文明開化がやって来た チョビ助とめぐる明治新聞挿絵
明治時代のご婦人は晴れた日にも和服に黒いこうもり傘! 新聞挿絵から読み解く、意外なほどにおもしろい日本人の暮らしの変化。
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2016/09/21
- ISBN
- 9784760147403
- 判型
- A5
- ページ数
- 248
- ジャンル
- 芸術・芸能・実用
内容・目次
内容
『マンホールのふた』の著者・林丈二が明治へタイムスリップ。
開化の蓋を開いてみたら「日本のいま」も見えてきた。
ここでご披露するのは、明治時代の新聞挿絵。この挿絵という時代投影器を駆使して、だいたい百年から百四十年くらい前の日本人の生活を覗き見ることにする。そこには、もう身近には見ることができない、我々日本人の基ともいうべき人たちの姿と生活が見えてくる。それとともに、維新後、日本人の生活に入ってきた「西洋」を、自然に、あるいは不自然に取り込んできた様子を見逃さずに取り上げてみたい。(「開化のチョビ助――まえがきにかえて」より)
【著者紹介】
林 丈二(はやし・じょうじ)
著述家。エッセイスト。明治文化研究家。路上観察家。
1947年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。小学校時代からすでに調査マニアの片鱗を見せるが、大学生のときにマンホールの蓋に注目、以来、日本をはじめ世界中のそれを観察し、『マンホールのふた(日本篇)』『マンホールのふた(ヨーロッパ篇)』にまとめる。「路上観察学会」発足時には、発起人の一人として参加。近年は、若手建築家や建築を学ぶ学生を中心に結成された「文京建築学会ユース」とのコラボによる街歩きや展示なども行なっている。主な著書に『イタリア歩けば』『フランス歩けば』『型録・ちょっと昔の生活雑貨』『明治がらくた博覧会』『東京を騒がせた動物たち』などがある。また、筑摩書房『明治の文学』(全二十五巻)、あすなろ書房『小学生までに読んでおきたい文学』(全六巻)、『中学生までに読んでおきたい日本文学』(全十巻)、『中学生までに読んでおきたい哲学』(全八巻)の脚注絵を林節子とともに担当。
目次
開化のチョビ助――まえがきにかえて
文明開化といえば散切り頭 ◆明治四年の散髪店
女髪結いは何ら変わらない ◆牛乳広告のいろいろ
縁側で髪を洗う ◆湯屋について
夏の来客のもてなし
待合の帽子置場 ◆明治の男は帽子が好きだ
氷店の季節 ◆氷店 夏の日の楽しみ
雨の日の拵え ◆雪の日の傘
長屋の子守娘 ◆洗耳の描いた犬
貧乏と病人
貧乏の中のゆとり
裏長屋の玄関は勝手口 ◆長屋の門限
わっ、ピストルだ! ◆明治時代のピストル
シャツを着た書生 ◆机の上の孔雀の羽根
マフラーとハンケチ
ハンケチを?む! ◆ハンケチ、あるいはハンカチーフの広告
女学生と自転車 ◆飛ばす飛ばす洗耳の自転車
色眼鏡は何色眼鏡か
顔を隠す女 ◆頬冠りの賊
謎の黒いマスク ◆お染感冒と印振圓左衛門
看護婦さんのスリッパ
チョビ助のあとがき
参考文献・索引