『不思議の国のアリス』の家
「アリス」の子孫が描く、「不思議の国」誕生の物語
- 定価
- 2,420円(本体 2,200円)
- 刊行
- 2015/09/01
- ISBN
- 9784760146307
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 344
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
内容・目次
内容
舞台は、1860年代のイギリス、オックスフォード。クライスト・チャーチ学寮長の三姉妹・イーナ、アリス、イーディスは、大きな屋敷で暮らしています。そこへ時々訪ねてくるのは、当時流行し始めた写真術のカメラを抱えた、ドッドスン氏。のちにルイス・キャロルという筆名で『不思議の国のアリス』を発表する彼は、オックスフォード大学の数学講師でした。ちょっと風変わりだけれど、物ごとの真実を言い当てるドッドスン氏になつく子どもたち。とくに、おてんば次女のアリスは、ドッドスン氏が大好き。家庭教師のメアリはそんな子どもたちをしつけねばと躍起になります。
いっぽう、リデル家に住み込みで働く家庭教師のメアリは、目下恋人募集中。結婚が遅れ、少々あせり気味ですが、ある時、近くの服飾雑貨店の店員ウィルトン氏に求婚されます。ただ、風変わりながらも心の純粋なドッドスン氏に惹かれていくメアリ。しかし、当のドッドスン氏は、アリスと話をしてばかりです。メアリの思いは、どうなるのでしょうか…。
リデル家の子どもたちと出かけた舟遊びの途中で、キャロルが即興でお話を語り、それが『不思議の国のアリス』へとなっていく。有名なエピソードを下敷きにしながら、そこへ至るまでのアリスたちの日常生活が、家庭教師メアリの目を通して描かれます。物語が生まれた時、オックスフォードの街はこんな雰囲気だった…名作誕生の背景を再現した物語。