春画を旅する
女性ならではの視点で読み解く春画入門書の決定版
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2015/09/01
- ISBN
- 9784760146284
- 判型
- A5
- ページ数
- 224
- ジャンル
- 芸術・芸能・実用
内容・目次
内容
春画って こんなにきれいで、おおらかで、面白い!
春画と出会い、再発見する旅へ――
「春画」というと、どのような絵をイメージなさるでしょうか。
性の営みを描く絵画ですから、苦手な方も、敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。けれども、春画の奥には、実に豊かな世界が広がっています。なんといっても春画は、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳といった当代一流の浮世絵師たちが力を込めて取り組んだ絵画の一ジャンルでした。
海外では既に高い評価を得ていましたが、ついに2015年秋、東京・目白にある永青文庫で国内初となる大規模な春画展が開催されるなど、「春画」に改めて光が当たりはじめています。
その線描の美しさ、色彩の鮮やかさ、着物の柄や小道具などの細部の美しさ、なんともいえない顔の表情、ストーリーの面白さ、圧倒的な画面構成力、さらに歴史の深さなど、きれいで、おおらかで、面白い春画を、ぜひ一度、ゆっくりと味わってみていただけたらと思います。
人間の本質をつかみとる春画の魅力を、カラー図版を多数交えながら、やさしく深く読み解きます。読者の皆様に春画の見どころをたっぷりと、旅をするように楽しんでいただけたら……著者のそうした思いが詰まったやさしい春画の教科書(ガイド)です。
目次
はじめに第1章 浮世絵のはじまりに春画あり
コラム * なぜか第三者が!? 初期浮世絵春画の不思議
第2章 春画の成立――墨摺絵の時代
第3章 春画の成熟――錦絵の時代
第4章 春画の爛熟――色摺春本の時代
第5章 春画のルーツをさかのぼる
第6章 「恋」をめぐる江戸文化――その表現のかたち
第7章 春画のもつ不思議な力――その意外な使い道
第8章 小さくなってこっそり覗く――「まねへもん」と豆男の系譜
コラム * 手のひらサイズの春画、春本
第9章 江戸時代の男前――魚売りと火消し
第10章 キスは健康術だった⁉――春画と「口吸い」
第11章 思わずにやり――春画のなかの小道具
第12章 ユーモラスに、怪奇的に――春画と動物
第13章 季節ごとの風習を慈しむ――四季の伝統と春画
おわりに