「知覧」の誕生―特攻の記憶はいかに創られてきたのか
特攻=知覧が出来上がるプロセスすべて明らかに!
- 定価
- 3,190円(本体 2,900円)
- 刊行
- 2015/06/01
- ISBN
- 9784760146109
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 428
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
年間数十万人が訪れる「特攻の聖地」 知覧。そのイメージの形成を、メディア・観光政策・ジェンダーなどの視点から考察した、まったく新しい戦後論。知覧を問うこと、それは戦後70年の“今”を考えることである。
目次
プロローグ――戦跡の編成とメディアの力学(福間良明)
第一部 「戦跡としての知覧」の成立
第一章 特攻戦跡の発明――知覧航空基地跡と護国神社の相克(福間良明)
第二章 〈平和の象徴〉になった特攻――一九八〇年代の知覧町における観光と平和(山本昭宏)
第三章 「特攻の母」の発見――鳥濱トメをめぐる「真正性」の構築(高井昌吏)
第四章 「知覧」の真正性――「ホタル」化する特攻と「わかりやすい戦跡」(山口誠)
第二部 複数の「知覧」
第5章 万世特攻基地の戦後――観光化の峻拒と慰霊への固執(白戸健一郎)
第6章 海軍鹿屋航空基地の遺産――特攻をめぐる寡黙さの所以(松永智子)
第7章 朝鮮人特攻隊員のイメージの変容――韓国における「特攻」の受け入れがたさ(権学俊)
第三部 「知覧」イメージのメディア文化史
第8章 「戦闘機」への執着――ミリタリー・ファンの成立と戦記雑誌の変容(佐藤彰宣)
第9章 コンビニエンスなマンガ体験としての「知覧」――『実録神風』のメディア力学(吉村和真)
第10章 記憶の継承から遺志の継承へ――知覧巡礼の活入れ効果に着目して(井上義和)
エピローグ――戦跡が「ある」ということ(山口誠)