アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第XXXⅢ期 (全10巻) ニクソン大統領文書14
中ソ間の全面戦争を含めた対立深刻化に対する米政府の対応策は?
- 定価
- 330,000円(本体 300,000円)
- 刊行
- 2013/11/01
- ISBN
- 9784760143061
- 判型
- A4
- ページ数
- 2,626
- ジャンル
- 資料集・史料集・地図
内容・目次
内容
ニクソン政権は、対中関係改善をもくろむ一方で、中ソ間の対立が本格的な戦争に発展していく可能性も含めてどう対応すべきかを省庁間特別グループに検討させた。
中ソの対立によって世界共産主義運動がもとに戻る可能性は薄く、中ソ問に全面戦争が勃発した場合に起こりうるさまざまなシナリオに十分な注意が払われていないとめ不満が国防省などからは出ていた。
中国支持、対ソ協力・中国孤立化、完全な不関与、中ソ双方と関係改善をしながら米国め利益拡大をはかるという4つのオプションが提示された。そして中立の立場をとりながらも米国の長期的利益の追求をはかる方向が打ち出された。
ニクソンは、外交・安保政策決定過程におけるNSCの役割をそれまでのどの大統領よりも最重要と位置付けていたにもかかわらず、71年夏の電撃的な訪中発表にいたる過程では、NSCの機構を将外に置き、極秘裡に政策を実施した。しかし、キッシンジャーは、官僚たちをミスリードしなかったばかりか、ニクソンの考え方をそれとはなしに灰めかしていた。
本期収録文書からは、国際政治の渦中での米政府の政策決定のプロセスが見てとれる。