せめぎあう記憶 歴史の再構築をめぐる比較文化論
戦争・紛争、国民、ジェンダー、エスニシティ……学問領域を越えた最新の到達点
- 定価
- 4,180円(本体 3,800円)
- 刊行
- 2013/02/01
- ISBN
- 9784760142224
- 判型
- A5
- ページ数
- 392
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
現代社会において、人々の「記憶」が惹起するさまざまな問題に切り込み、新たな世界の構築を模索する、文学・歴史学・社会学等各分野の精鋭陣による意欲的論集。世界各国における最先端の情勢、視角を収録。都留文科大学比較文化学科創設20周年出版。
目次
総論――記憶と構築の視界 鳥居明雄Ⅰ 記憶
第1章 戦争の記憶をめぐる日中比較試論 伊香俊哉
――軍人の遺体・遺骨処理と追悼・顕彰
第2章 90年代アジア美術にみる「大東亜戦争」の記憶 岸 清香
――若き反逆者たちのタブーへの挑戦
第3章 現代韓国政治における伝統の記憶 邊 英浩
――士(ソンビ)社会の形成と公共善
第4章 中央アンデス高地農村の変容 重冨惠子
――インカ帝国の記憶とボリビア高地の過疎化傾向をめぐって
第5章 「台湾原住民族」と「日本人」のイレズミとその記憶 山本芳美
――イレズミへの賞賛と規制をめぐって
第6章 能楽師粟谷菊生の「いのち」 鳥居明雄
――「歌占」上演記
Ⅱ 構築
第7章 人間関係の記憶と現代における再構築の課題 福田誠治
――〈教育の商品化〉というグローバリズムの大波をいかに越えるか
第8章 フィリピン・コモンウェルスの教育政策とフィリピン革命の記憶 内山史子
――国民の道徳的伝統の物語としての独立革命
第9章 インドの民族運動と対華医療使節団 水野光朗
――1930年代後半の政治状況とインド国民会議派の動静
第10章 北アイルランドの再建と「集団の権利」 分田順子
――「人権章典」策定過程における論争を中心として
第11章 「危機」の記憶と刑罰国家への道 大辻千恵子
――合衆国におけるクラックスケア
第12章 カラーブラインドとは何を見ない/何が見えないことなのか? 大森一輝
――奪われた「未来の記憶」をめぐるアメリカ現代史