アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第XXXI期 (全10巻) ニクソン大統領文書12
米中ソが牽制しあうなか、日本の北方領土の主張支持へと変貌する中国
- 定価
- 330,000円(本体 300,000円)
- 刊行
- 2012/11/01
- ISBN
- 9784760141548
- 判型
- A4
- ページ数
- 3,350
- ジャンル
- 資料集・史料集・地図
内容・目次
内容
米中関係は1972年2月の衝撃的なニクソン訪中によって急接近し、翌1973年初めまでは和やかな関係が続いた。しかし、批林批孔運動や排外主義の高まりといった中国の国内事情もあってしだいに距離が生まれた。国交正常化を米国が急がないことにも苛立った。
その問も、米中ソは、危うい三角関係を続ける。
米中の接近はソ連に危機感をもたらし、アメリカにデタントを働きかけるが、それがまた中国に懸念をもたらし、ソ連に対して強い態度をとるようアメリカに進言する。
三角関係の力学によって中国の日本に対する態度も180度変わった。米国とともに日本をソ連やインドに対抗する上での「始まったばかりの同盟国」と見なすようになり、北方領土についての日本の主張の支持を国連で明言するまでになった。
国務長官になったキッシンジャーは、ウォーターゲート事件の影響も受けつつ、日本や欧州への辛辣な批判をときに口にしながら、ソ連と中国の双方にブリーフィングを続ける。米中急接近後の本期収録文書からはこうした国際政治の裏面とともに、毛沢東や周恩来らの生なましい発言や、キッシンジャーの暗躍ぶり、彼の「本音」なども見えてくる。