哀しみが思い出に変わるとき 女どうし、友情の物語
結婚より、友情。深い絆で結ばれたふたりが、あるとき別れなければならなくなったら…
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2012/05/01
- ISBN
- 9784760141302
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 232
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
内容・目次
内容
ボストンの新聞記者であるゲールと、小説家のキャロライン。ふたりの女性は、飼っていた犬を通じて知り合った。年は十歳離れていたが、出会ってすぐに意気投合し、話を聞くうちにお互いの境遇がよく似ていることを知る。今は独身で、ひとり暮らしということ。仕事と社会の中で抱えている疎外感。過去にアルコール中毒に悩んだこと。そして、何より読書と犬が好きなことも含めて……。ボストン郊外の美しい川べりを散歩しながら、ふたりは友情を深めていく。そんな中、キャロラインがガンに侵されていることがわかる。最後の最後まで互いを認め合いながら生きるふたり。
結婚しないという選択、社会に参加しているという感覚について、アルコールとの関わり、ペットの重要性。現代、自宅の外で仕事をしている人なら一度は経験したであろう思い。それをふとしたきっかけから共有して、乗り越えていく。仕事の関係はすべて脱ぎ捨て、日常を大切に生きた二人の女性の友情の記録。
目次
1. 湖のほとりで2. 再会
3. わたしの「伴侶」クレメンタイン
4. 誘惑の手
5. 酒をやめて、男と別れて
6. 友情を紡ぐ糸
7. ふたり乗りのボート
8. 自由と孤独
9. 異変
10.水の上のキャロライン
11.彼女が遺したもの
12.見守る目、見上げる目
13.紡がれる物語
訳者あとがき