アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第ⅩⅩⅩ期 (全10巻) ニクソン大統領文書11
ソ連の軍事情報まで伝えていた驚愕の米中和解首脳会談
- 定価
- 330,000円(本体 300,000円)
- 刊行
- 2012/05/01
- ISBN
- 9784760141197
- 判型
- A4
- ページ数
- 3,250
- ジャンル
- 資料集・史料集・地図
内容・目次
内容
本期は、日本ではこれまで紹介されていないという意味できわめて貴重な6月の訪中時のキッシンジャー大統領補佐官と周恩来総理の会談録を収録している。この会談で、周恩来総理や中国軍部の事実上の最高指導者・葉剣英は、米国が中国の主要な潜在的同盟国であり軍事力の現状維持を望むと言い、強い防衛力が必要だという米国務長官の主張を手放しで称賛する。
ニクソン大統領も強い防衛力を維持する決意を持っており、中国に圧力を加えようとする動きに対して必要があればこれを排除する用意があると答えたと、キッシンジャーは大統領宛報告書で述べる。
その一方キッシンジャーは、日本に対しては厳しい態度を見せる。日本をめぐって米中が競争すれば、日本のナショナリズムを強めることになると懸念を表明し、中国もまた、安保が日本に対する最善の抑制だという米国の主張を受けいれるようになった。
ニクソン訪中後の本期収録文書からは、米中の「親密さ」と、日本に対する米中の「共同戦線」ぶりが見てとれる。