国民国家論の射程 [増補版] あるいは<国民>という怪物について
ネイション・ステイトをどこまでも批判するために
- 定価
- 3,080円(本体 2,800円)
- 刊行
- 2012/03/01
- ISBN
- 9784760140961
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 318
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
人はあらゆる機会に国民国家に回収されており、ほとんどの場合その事実に無自覚のままでいる。国家というイデオロギー装置から自由であることもまた不可能であると本書で著者は述べながら、「非国民」としてしか自由を味わえない状況を執拗に抉りだす。古くて新しい国民主義の論理に対する異議申し立ての基本的視点はすべてこの著作の中にある。「国民国家が存在し、私を含めた国民が存在する限り、国民国家批判は終わらないし、終えることはできない」。
増補版では、国民統合の原理を可視化する刺激的な言説に、最新の世界情勢に応答する論考を追加。
目次
Ⅰ戦後五〇年と、ある非国民のつぶやき
一九九五年八月の幻影、あるいは「国民」という怪物について
「国家理性」にかんする一考察 ヴァイツゼッカー批判
国民化と時間病
国民文学の脱構築
Ⅱ
漢字文化圏における文化研究 文明・文化・民族・国民の概念をめぐって
国民国家と異文化交流 文化交流を妨げるものと促進するものとの関係についての理論的考察
国民国家の形成と自由民権運動
Ⅲ
国家とナショナリズムをめぐる三つの断章
日本におけるフランス革命 戦後歴史学における国民国家とそのイデオロギーの問題を中心に
フランス革命と国民統合 比較史の観点から
Ⅳ
国民崇拝の祭儀と神学 ジョージ・L・モッセ『大衆の国民化』を読む
戦後社会思想の転換 河野健二著「近代を問う」を読む
おわりに――国民国家論から見た「戦後」 国民国家のゆくえ
あとがき
3・11後の国民国家論 『国民国家論の射程 あるいは<国民>という怪物について』を再読して