日本史の思想 アジア主義と日本主義の相克
「日本」という「主体創出」の足跡を解明する
- 定価
- 3,080円(本体 2,800円)
- 刊行
- 2012/03/01
- ISBN
- 9784760140954
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 256
- ジャンル
- 歴史・地理
内容・目次
内容
開国後、世界の情勢を目の当たりにした近代日本は、固有性と普遍性、自意識と理想のあいだで揺れ動いていた。日本の歴史学にも大きな変化が芽生え、水戸学的名分論からアジア主義の勃興と凋落を経て、純粋日本史の完成へと学者の関心は向かっていった。独自の学問的業績を打ち立てた津田左右吉においても、国家の「為にする」ことがその思想の根幹部分にあった。こうした文脈から見えてくる近代日本の歴史思想のかたちとは? 「真の史学史は政治史として描かれなくてはならない」と語る著者が、岡倉天心、津田左右吉、和辻哲郎らが苦闘した、日本=思想を浮き彫りにする。
目次
プロローグ~序章 デモクラシーと国体~第1章 岡倉天心とアジア主義~第2章 アジア主義の条件~第3章 アメリカの支配とアジア主義~第4章 津田左右吉の歴史学~第5章 「日本史」の誕生~終章 日本主義と敗戦~エピローグ~ 補論 京都論の視点――日本精神史の舞台としての京都