季刊 東北学 [第2期・第27号(2011年春)] 特集:いくつもの日本の神話へ
- 定価
- 2,096円(本体 1,905円)
- 刊行
- 2011/05/01
- ISBN
- 9784760139934
- 判型
- A5
- ページ数
- 250
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
「いくつのもの日本」には、それに相応しいだけの種類の神話が存在していた。鎌倉幕府に集結する御家人らにしても、辺境に蟠踞する豪族らにしても、ないしは草深い農村に暮らす住人らにしても、さらには諸国を遍歴する職人・商人らにしても、また然り。みな、それぞれに自らの由緒をアピールする物語をかたちづくっていたのであった。今回は、その辺りの事情について、立ち入って考えてみることにしたい。それによって、近代国家によって極限にまで到達させられてきた中央集権的な発想をあらためる促進材料がえられるならば、さいわいである。特集《いくつもの日本の神話へ》
目次
座談 多彩な神々が活躍する列島の神話 地域の神話群と物語へ変容する記紀神話 保立道久・赤坂憲雄・入間田宣夫
論考
・アマテラス神話の中世 佐藤弘夫
・鎌倉幕府の草創神話 現代人をも拘束する歴史認識 川合 康
・平泉の神話 斉藤利男
・中世村落の草創神話 薗部寿樹
・千葉大王御子の物語によせて 入間田宣夫
・大内氏の祖先神話 伊藤幸司
・いくつもの神話と火山 邪馬台国・アマテル・高千穂 保立道久
・徳川将軍家の草創神話 曽根原 理
連載
・色川大吉「東北民衆史の水脈」
・安渓貴子・安渓遊地「島からのことづて」
・野本寛一「民俗学の眼」
・稲垣尚友「東シナ海の古層」
・木村 文「アジアの風の中で」
・金 利恵「あの頃のこと」
・高光敏「済州島の民俗」
・内藤正敏「写真曼陀羅」