「日本」への問いをめぐる闘争 京都学派と原理日本社
両陣営の思想戦を比較検討し、昭和思想史を読み直す
- 定価
- 4,620円(本体 4,200円)
- 刊行
- 2007/12/01
- ISBN
- 9784760132508
- 判型
- A5
- ページ数
- 304
- ジャンル
- 歴史・地理
内容・目次
内容
文化の価値を高く掲げる西田幾多郎ら京都学派の輝ける俊英たち、文化的日本主義の激烈なイデオローグ蓑田胸喜と原理日本社。「日本」の世界史的優越性を掲げた両者が政治主義に飲み込まれていく過程を検証した刺激的な論考。
目次
はしがき
第一章 西田幾多郎の哲学的挑戦 自己からの創造
はじめに
第一節 西田幾多郎の「論理」
第二節 国家理由の問題――マイネッケへの苛立ち
第三節 日本への問いの理由
第四節 世界のための問い――「世界史的立場」
第二章 京都学派の世界史的挑戦 近代の超克
はじめに
第一節 ヨーロッパ中心主義からの跳躍――鈴木成高
第二節 近代国家との訣別――西谷啓治
第三節 進歩の理念の迂回――高坂正顕
第四節 人間中心主義の超克――高山岩男
第三章 蓑田胸喜の西田幾多郎批判 禁忌としての日本
はじめに
第一節 蓑田胸喜の執念
第二節 偶像を刻んではならない――カントとマルクスの「共通宿命」
第三節 西田幾多郎の理由
第四節 日本の「表現」
第四章 蓑田胸喜の天皇機関説批判 原理日本社の公論
はじめに
第一節 自我意識の極大化と絶対への欲求
第二節 「コトノハノミチ」という論理
第三節 天皇機関説批判の「論理」
第四節 公論ならば、すべてが許される
第五章 京都学派対原理日本社 日本をめぐる闘争
はじめに
第一節 絶対的なるものへの欲求
第二節 自己の責務
第三節 日本をめぐる闘争――思想戦の争点
第四節 日本をめぐる闘争――思想戦の顛末
あとがき/人名索引