現代歴史学と南京事件
論争を超えて描かれる新しい南京事件像
- 定価
- 3,520円(本体 3,200円)
- 刊行
- 2006/03/01
- ISBN
- 4760128859
- 判型
- A5
- ページ数
- 264
- ジャンル
- 歴史・地理
内容・目次
内容
歴史教科書問題や戦後補償裁判を通じて明らかになった資料を踏まえ、南京事件を〈国際法〉〈性暴力〉〈戦争の記憶〉という新しい切り口で分析。南京事件研究の新展開を告げる気鋭の論集。
目次
総論 現代歴史学と南京事件(笠原十九司・吉田裕)~~第一章 南京虐殺の記憶と歴史学――敗戦直後の日本国民の「忘却」の構図(笠原十九司)~はじめに~一 証拠の焼却による記憶の「忘却」~二 東京裁判と南京虐殺の記憶~おわりに――「逆コース」時代と南京虐殺の記憶の「忘却」~~第二章 南京事件論争と国際法(吉田裕)~はじめに~一 論争の経緯~二 「戦時重罪」についての理解の誤り~三 明文の禁止規定について~四 東中野氏の自己矛盾~おわりに~補論(1) 破綻した南京大虐殺の否定論者たち――学者の資質すら問われる東中野修道氏と藤岡信勝氏~補論(2) 鈴木明著『新「南京大虐殺」のまぼろし』の誤り~~第三章 中国国民政府の日本戦犯処罰方針の展開(伊香俊哉)~はじめに~一 戦争犯罪調査の態勢と展開~二 南京事件と天皇訴追問題~三 東京裁判開廷段階の戦犯調査~四 「寛大」政策と「懲一戒百」論~おわりに~~第四章 東京裁判における戦争犯罪訴追と判決――南京事件と性奴隷制に対する国家指導者責任を中心に(戸谷由麻)~はじめに~一 検察側の立証準備~二 検察側の立証~三 裁判所の裁定~おわりに~~第五章 日本軍慰安婦前史――シベリア出兵と「からゆきさん」(林博史)~はじめに~一 在満州領事館と外務省の「からゆきさん」対策~二 シベリア出兵と在満州領事館~三 シベリアの日本軍による日本人娼婦の管理~おわりに~~第六章 南京事件前後における軍慰安所の設置と運営――南京・上海・揚州の軍慰安所と上海派遣軍 一九三七―一九三八(吉見義明)~はじめに~一 軍慰安所開設と上海派遣軍司令部~二 南京での軍慰安所開設と上海派遣軍軍医部~三 上海の軍慰安所と上海派遣軍軍医部~四 揚州の軍慰安所と迫撃第四大隊~おわりに~~第七章 南京レイプと南京の慰安所(川田文子)~はじめに~一 南京レイプ~二 南京の慰安所~おわりに~~第八章 南京大虐殺と中国国民党国際宣伝処(井上久士)~はじめに~一 国際宣伝処の成立と活動~二 南京大虐殺と国際宣伝~おわりに