柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第ⅩⅢ期 (全10巻) 日米外交防衛問題[1969年・日本編]

「沖縄」はいかにして「繊維」で買われたのか? 戦後史の謎を明かす米国務省文書資料

定価
275,000円(本体 250,000円)
刊行
2003/11/01
ISBN
4760124365
判型
A4
ページ数
3,200

内容・目次

内容

【本資料集の特徴】
◆米国公文書館では、いったん公開された文書が再レヴューにかけられ、ふたたび未公開となったものも出始めている。もはや本シリーズでしか読めない貴重な文献も含まれている。
◆米国公文書館のこの時期の国務省文書は、複数の分類番号に属する文書の場合、オリジナル所蔵個所以外のフォルダーには冒頭ページのコピーしか残されていない。本シリーズでは、オリジナル所蔵個所にひとつひとつあたり一括文書も含めたすべての文書を収録し、さらに日付順に並べ直し詳細索引をつけるなど、米国公文書館で文書を閲覧する以上の利便性を確保した。
◆文書発行日付、発信元、発信先、会議参加者、内容、文書種類を記した総目次や会議録目次のほかに、文書発行日付、発信元人名・機関名、発信先人名・機関名、会議参加者、文書番号で検索可能。
◆未公開文書が一覧できるリストを添付。


1969年、大統領に就任したニクソンは、その選挙戦略から繊維問題に深く足をとられていた。沖縄返還をめざしていた佐藤首相の前途に、大きな暗雲がただよう。ニクソンがいかに繊維にこだわり、執拗に佐藤に圧力をかけたのか。またそれに対し、佐藤がどのような約束をし、さらにそれを覆し、ニクソンを激怒させるにいたったか。本書には、佐藤の「密使」がキッシンジャーと裏交渉を進めるなかホワイトハウスで行なわれたll月の日米首脳会談の議事録をはじめ、「72年核ぬき・本土なみ返還」が共同声明で発表されるにいたる経緯をたどる資料が含まれている。この議事録は国家安全保障会議から国務省に渡されたもので、TOPSECRET/SENSITIVEと明記され、国務省でもコピーを作らないこと、きわめて限られた数名以外は目を通さないように命じられていた。また、ロジャーズ国務長官の訪日会議録には、貿易不均衡やドル防衛など経済摩擦について主要閣僚が議論を戦わせた日米貿易経済合同委員会の記録が数多く含まれており、戦後経済史にかかわる資料も見てとれる。