アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第ⅩⅠ期 (全11巻) 日米外交防衛問題1967年
戦後史を書きかえるための衝撃の文書
- 定価
- 275,000円(本体 250,000円)
- 刊行
- 2002/11/01
- ISBN
- 4760123105
- 判型
- A4
- ページ数
- 3,902
- ジャンル
- 資料集・史料集・地図
内容・目次
内容
安保改定期をあつかった第7期までに続く本シリーズは、これまでの成果を引き継ぎ沖縄返還問題が通奏低音のように流れる1964年(第8期)から1972年(第16期)までを対象とし、米国公文書館収蔵の国務省文書によって、日米関係の実態を明らかにする。1964年、東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通し、IMF8条国移行やOECDへの加盟を果たし経済成長のただ中にある日本では、佐藤政権が誕生し、沖縄返還に向けての動きが始動した。ベトナム本格介入に向かうアメリカは、力をつけてきた日本をどのように見ていたのか。
1967年は沖縄返還へ向けて大きく舵を切った年である。年明け早々の1月19日、佐藤首相は、教育権などの分離返還ではなく施政権一括返還が望ましいと発言した。2月9日には、日本政府は全面返還の方針を決定する。9月、三木外務大臣が訪米し、ラスク国務長官らと首脳会談の前哨戦ともいえる議論を繰り広げる。その一方、外務省の正規ルートとは別に、佐藤首相の密使・若泉敬が秘密交渉を重ねる。11月、全学連が激しいデモを繰り広げるなか、佐藤首相は訪米。ジョンソン大統領と会談し、「ここ両三年内に」沖縄返還の時期を決定するとの一項目を共同声明に盛り込むにいたった。この年の文書からは、共同声明にいたる日米政府の確執や、核武装のオプションを残すべきという声があがって核不拡散条約の調印をためらう日本へのアメリカの困惑ぶりが生々しく明らかになってくる。