「支那通」一軍人の光と影-磯谷廉介中将伝
ノモンハン事件責任者の全体像が明らかに
- 定価
- 3,080円(本体 2,800円)
- 刊行
- 2000/11/01
- ISBN
- 4760119957
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 288
- ジャンル
- 歴史・地理
内容・目次
内容
磯谷廉介(1886~1967)は、陸軍の中国情報専門家として知られ、昭和を代表する軍人の一人である。磯谷はその華やかな経歴とは裏腹に、派閥色がなく、孫文とも親しく接し、「支那通」としても異色な存在だった。陸大卒業後の参謀本部支那課への出仕、二・二六事件の収拾にあたった軍務局長時代、台児荘戦・徐州戦を制した第10師団長時代、東条英機の後任となった関東軍参謀長時代、戦後の戦犯指名による終身刑宣告、そして釈放以後…。本書は、ノモンハン事件との関わりで焦点を当てられることの多かった磯谷自身への聞き取りなども含めてまとめられた初の本格的な伝記である。
目次
磯谷廉介の中国理解の特異性/青木宣純と磯谷/磯谷の生い立ち。初めて孫文に会う/孫文と磯谷/中国駐在から中央の舞台へ/第一師団参謀長、教総第二課長時代/荒木陸相の下で補任課長/「石原厄鬼ナリ」とはいうものの/五・一五事件/永田鉄山、磯谷らの派閥観/ 中国駐在武官と永田の絶筆/幣制改革とは何だったのか/軍務局長時代/議会の紛糾から宇垣首班流産まで/第一〇師団長、そして日中戦争/台児荘戦・徐州戦/関東軍参謀長時代/本城繁から磯谷への書簡/ノモンハン事件の錯誤/東条英機の策動?/ 東条の政治資金/召集されて香港総督に/戦犯として/付 戦犯日記―昭和二十一年二月三日~同二十七年八月五日まで(抄録)他