街なか場末の大事件
天災か人災か?江戸の災害と危機対応を読む。身近な地域の史料に挑戦――随筆・写本・版本
- 定価
- 2,200円(本体 2,000円)
- 刊行
- 1999/09/01
- ISBN
- 4760117997
- 判型
- B5
- ページ数
- 144
- ジャンル
- 古文書・くずし字
内容・目次
内容
文化4年8月15日八幡祭礼の日、江戸深川の永代橋が突然崩れ落ちた。見聞記・後日譚・怪談・落首などから事件を浮かび上がらせる「第一話 永代橋崩落」。収録史料『江戸砂子』『絵本続江戸土産』『蛛の糸巻』『御府内備考』『東京名勝図会』『東京名所図会』『東都歳時記』『兎園小説余録』『藤岡屋日記』『文政町方書上』『夢の浮橋』『夢の浮橋付録』等、江戸時代中期以降の地誌、随筆等15点。参考図版、上記資料ほか/時は幕末、嘉永7年6月11日、軍備の近代化を図る幕府の命により火薬を製造していた水車が、未明に大爆発。被害の把握とともに、原因究明が進められる。日記と古文書から読む「第二話 新宿角筈水車小屋爆発」。収録史料、『文鳳堂雑纂』『藤岡屋日記』『真際雑記』等の記録のほか、新宿・中野の諸家文書、11点。参考図版、爆発事故の瓦版、『江戸名所図会』『東京市史稿』『武蔵名勝図会』等。
目次
第一話 永代橋崩落:1永代橋初めて架かる(永代橋の評判、永代橋の風景、町人が支えた橋)、2深川八幡祭の熱気(祭りねりもの番付、当日人気のねりもの、富賀岡八幡宮祭礼)、3橋が落ちた(大阪へ届いた第一報、千石どおしへ米の落入るがごとく、この一刀にて多くの人を助けしとぞ、溺死せる妻の怨霊か、彼の欄干の朽ちたる所あり、御祭りへ行のの道は近けれど、ふたたび新たに架けかわりて)/第二話 新宿淀橋水車小屋爆発:1やっぱり起こった爆発事故(水車小屋爆発第一報、広がる被害、現実となった不安)、2驚天動地(久兵衛は雲隠れ、角筈村の住宅被害、住宅被害の詳細、関係者の目撃証言、一応の決着)、3よくも調べた被害明細(爆発被害詳細報告、中野村の被害家屋、被害手当の領収書)