柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

文人外交官の明治日本 中国初代駐日公使団の異文化体験

定価
4,180円(本体 3,800円)
刊行
1999/04/01
ISBN
4760117296
判型
ページ数
272
ジャンル
歴史・地理

内容・目次

内容

アヘン戦争以後、西洋式の外交政策を取り始めた清国は、明治10年、日本に初の駐日公使団を派遣した。赴任地日本で異文化と遭遇し、白国の伝統との狭間で揺れ動く文人外交官たちの姿を通して、異文化理解の行程を探る比較文化論。


目次

序第1部 公使団の派遣

 第1章 公使団員の使命感

   1 使節派遣の論議

   2 公使団員の外交認識

 第2章 公使の利義観

   1 「必ずしも利を曰わん」

   2 「食を足らしめる」

 第3章 維新の美談

   1 国書の奉呈

   2 服制の改革

第2部 公使団員の文人気質

 第1章 日本美の発見

 第2章 桜文化論

   1 花見の宴

   2 「櫻花歌」

 第3章 風流逸話

   1 文人の「雅興」

   2 「薄倖詩」

   3 好色と好徳

第3部 外交活動の展開

 第1章 琉球交渉

   1 強硬策の提示

   2 反対の見方

   3 利と義の思惑

   4 狭間での苦闘

   5 自強の目覚め

 第2章 琉球交渉の裏側

   1 「興亜会」との関係

   2 王韜への影響

 第3章 公使の日本研究

   1 条約改正への関心

   2 「鴉片」談議の触発

   3 利義観の更新

 第4章 朝鮮論の提出

   1 朝鮮問題談議

   2 外国の影響と朝鮮論

   3 朝鮮論の内実

   4 清韓筆話

第4部 『日本国志』の世界

 第1章 異文化理解の苦闘

   1 東来の法

   2 「未だ著さざるの書」

 第2章 日本研究の展開

   1 『日本国志』の着手

   2 地図事件

 第3章 外交内政の研究

   1 奇なる国

   2 「物極めて必ず反す」

   3 「交隣に大益あり」

   4 平等外交の希望

 第4章 経世済民の論

   1 「我が手もて吾が口を写さん」

   2 西法に倣った官職

   3 富国の策

 第5章 学術文化観

   1 西学の流弊

   2 伝統文化の尊重

   3 「千秋の鑑、吾妻鏡に借る」

 結び

 文献一覧

 何如璋・黄遵憲略年表

 あとがき

 索引