アメリカ合衆国 対日政策文書集成 第XXXⅣ期 (全10巻) ニクソン大統領文書15
国務省から外交の主導権を奪い取ったニクソン・キッシンジャー
- 定価
- 330,000円(本体 300,000円)
- 刊行
- 2014/05/01
- ISBN
- 9784760143955
- 判型
- その他・規格外
- ページ数
- 2,626
- ジャンル
- 資料集・史料集・地図
内容・目次
内容
1969年4月15日朝(現地時間)、厚木基地を飛び立った米海軍の高空電子偵察機EC-121が北朝鮮のミグ戦闘機2機の攻撃をうけて撃墜された。乗員31名全員が死亡した。ニクソンは15日早朝(ワシントン時間)キッシンジャーから電話でこの報告を受けた。ニクソン新政権にとって大きな挑戦であった。緊急な対応を要するが、それに対応できる組織はできていなかった。
これをきっかけにNSC内に態勢が作られていくが、韓国が「北進」という過激な行動をとって巻き込まれることを恐れるニクソンは、在韓米軍の大幅な削減を望んでいた。キッシンジャーはニクソンに宛てて、北側の南進があった場合に韓国軍を支援する姿勢を示しておく抑止効果と、空・海の支援を提供するのみとする手書きの言葉を添えた覚書を送っている。
こうしたやりとりは、中国などとの日本の「衝突」を恐れる一方で、日本の軍備増強を望む現在のアメリカ政府の思惑と重なって見える。
本期は、米偵察機撃墜のような緊急事態への対応や在韓米軍の撤退などの朝鮮半島関連と、NSCの組織や機能・再編に関する文書を収録した。