さよなら、シャーリー・テンプル
〈ニューヨーカー〉の名匠ミッチェルが見つめたのは、 たくましく生きる無名の人びと。ジョゼフ・ミッチェル作品集、第3弾!
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2018/10/05
- ISBN
- 9784760150472
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 288
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
- シリーズ
- ジョゼフ・ミッチェル作品集(全4巻)
内容・目次
内容
〈ニューヨーカー〉の名匠ミッチェルが見つめたのは、たくましく生きる無名の人びと。ジプシーの女占い師に、マンハッタンの摩天楼で働くインディアンの鳶職。100歳目前の老夫は、魚市場をめぐる。1940年代のアメリカに今、舞い戻る――ジョゼフ・ミッチェル作品集、第3弾!
ジプシーの女占い師が街のご婦人から金を巻き上げれば、モホーク族の鳶職は摩天楼の建設現場を自由自在に歩く。ヒッチハイクの老人が親切にしてもらったお礼に、もう存在しない銀行の小切手を書けば、退職して、長生きする気満々の親父さんは、魚屋の店主さながらに魚市場をそぞろ歩く。酒を断っていた男は、結局バーのカウンターで酔いつぶれ、自分の時間を邪魔された酒場の常連女は、ボックス席で煙草に火をつけて……ニューヨークの街を形づくるパズルのピースを、得意の筆致でひとつひとつはめてゆく。ミッチェルが見た、世界の中心とその周縁。あれからアメリカは変わったのだろうか?(全4巻完結予定)
【著者紹介】
ジョゼフ・ミッチェル Joseph Mitchell
1908年、米国ノースカロライナ州生まれ。1929年にニューヨークへ出て、「ニューヨーク・ワールド」紙、「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」紙、「ニューヨーク・ワールド・テレグラム」紙に記者として勤める。1938年から「ニューヨーカー」誌のスタッフライターとなり、寡作ではあるが同誌の最も優れた書き手のひとりと謳われた。1996年歿。
【訳者紹介】
山田久美子(やまだ・くみこ)
英米文学翻訳家。主な訳書に、キング『シャーロック・ホームズの愛弟子』、ガーディナー『心理検死官ジョー・ベケット』(いずれも集英社)、スタイン『エンゾ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』(ヴィレッジブックス)、ウォーカー『緋色の十字章』、キング『パリの骨』、ミルフォード『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』(いずれも東京創元社)などがある。
【訳者紹介】
上野元美(うえの・もとみ)
英米文学翻訳家。主な訳書に、ミッチェル『港の底』、ハンプトン『F-16 エース・パイロット 戦いの実録』(いずれも柏書房)、メズリック『マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦』(文藝春秋)、バー=ゾウハー/ミシャル『秘録イスラエル特殊部隊 中東戦記1948-2014』、ウィンタース『地上最後の刑事』(いずれも早川書房)などがある。
目次
ジプシーの女たちスミスはサンタクロース
モホーク族の鉄骨鳶
さよなら、シャーリー・テンプル
禁酒
やさしきブロンドの女
予想もつかなかったこと
ブラックアンクル郡におけるファシズムの衰退
全部ママのせい
ドッカリーおじさんと独立独歩の雄牛
長寿のフラッドさん
黒ハマグリ
フラッドさんのパーティ
解説 宮脇俊文