柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

漱石・?外を人気で圧倒した、大衆向け読み物〈明治娯楽物語〉の世界を案内する、朝日新聞&ジブリも注目する異才が描くネオ文学史。

定価
1,980円(本体 1,800円)
刊行
2019/04/24
ISBN
9784760150076
判型
四六判
ページ数
381

内容・目次

内容

紀伊國屋じんぶん大賞2020 第9位にランクインしました!ソース
公式note「かしわもち」で「山下泰平が選ぶ「明治本」20冊」を公開しています。


【内容】
文学史&エンタメ史の未確認混沌時代(ミッシング・ピース)!


「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森?外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。
本書では、現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響、そして、ウソを嫌い、リアルを愛する明治人が、一度は捨てたフィクションをフィクションとして楽しむ術(すべ)をどのようにして取り戻したのか、その一部始終を明らかにする。
朝日新聞とスタジオジブリも注目する、インターネット出身の在野研究者が贈る、ネオ・文学案内。


※長いタイトルの通称は「まいボコ」です!
※本書に登場する作品のほとんどが国立国会図書館デジタルライブラリー(http://dl.ndl.go.jp/でお読みいただけます。


【メディア掲載】


04/27 「ねとらぼアンサー」で紹介されました。 
05/21 TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に著者の山下さんがゲスト出演しました。
05/24 「週刊金曜日」で長瀬海さんがご紹介くださいました。
05/25 「UOMO」7月号に書評が掲載されました。
05/19 「東京新聞」で栗原裕一郎さんがご紹介くださいました。
05/29    「毎日新聞」夕刊で倉本さおりさんがご紹介くださいました
06/06 「HONZ」で西野智紀さんがご紹介くださいました。 
06/09 「南日本新聞」「琉球新報」「熊本日日新聞」に書評が掲載されました。*
06/09 「産経新聞」で石井千湖さんがご紹介くださいました。
12/23 「読売新聞」<2019年の3冊>でよみうり堂店主がご紹介くださいました。


※末尾に「*」マークがついた記事は共同通信配信、末國善己さんによる書評です。


 


 



【正誤表】

本書に誤りまたは不十分な記述がありました。

正誤表はこちらよりご確認ください

正誤表のとおり訂正し、お詫び申し上げます。
(最終更新日:2019年7月16日)


【目次】


はじめに 書くはずのなかった人間が書く混沌とした本
〈明治娯楽物語〉がざっくり分かる図と年表


序 章 小説未満の世界 明治の弥次喜多は宇宙を旅する
第1章 超高速!明治時代 五倍のスピードで万事が動く
第2章 庶民が愛した〈明治娯楽物語〉 日清・日露戦争で暴れまわる馬丁たち
第3章 〈講談速記本〉の帰還 無責任体制が生んだ娯楽(エンタメ)の王様
第4章 地獄に落ちそうな勇士ども 長広舌の真田幸村二世&神より強い猪突猛進男
第5章 豆腐豪傑は二度死ぬ ミスター講談速記本・桂市兵衛
第6章 〈最初期娯楽小説〉の野望 「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする
第7章 「科学」が生んだ近代キャラ 嫌われ作家の奇妙な冒険
第8章 〈犯罪実録〉という仇花 強くない、謝らない、いいことしない犯罪者たち
第9章 忍者がやりたい放題するまで 忍者復活の影にアメリカの怪力女あり
第10章 恐るべき子供豪傑たち 大人をボコボコにする少年少女
終 章 不死の聖


主要参考文献一覧


【本書に登場する物語(一部)


▼弥次喜多が宇宙旅行に行く『宗教世界膝栗毛』
▼遅刻で日露戦争に参加できなくなる『露西亜がこわいか』
▼主人公が焼酎と蟹を食べすぎて死ぬ『南京松』
▼トークの技術だけで城を奪う『西国轡物語』
▼神より強い覆面ヒーローが暴走して剣豪たちがフォローに苦心『箕輪城物語』
▼バンカラがゲンコツで虎退治『世界鉄拳旅行』
▼いつのまにか日→露にワープ『今様水滸伝』
▼忍術=催眠術を確立した『鬼丸花太郎』
▼元祖・大人をボコボコにする子ども『鳥刺し胆助』
▼魔法少女が正体を隠して諸国漫遊『戸澤雪姫』
ほか


【著者について】


山下泰平(やました・たいへい)
1977年生まれ、宮崎県出身。明治の娯楽物語や文化を調べて遊んでいる。大学時代に京都で古本屋を巡るうち、馬鹿みたいな顔で手近にあるどうでもいい書籍を読み続ける技術を身に付ける。
明治大正の娯楽物語から健康法まで何でも読み続け、講談速記本をテキスト化したものをインターネットで公開するうち、2011~13年にスタジオジブリの月刊誌「熱風」に「忘れられた物語―講談速記本の発見」を連載。2015年12月に「朝日新聞デジタル」に「物語の中の真田一族」(上中下)を寄稿。2017年2月にブログ記事「舞姫の主人公をボコボコにする最高の小説の世界が明治41年に書かれていたので1万文字くらいかけて紹介する」がバズる(本書は、この論考をもとに書き下ろされた)。いまだに手近にあるどうでもいい書物を読み続けている。インターネットでは〈kotoriko〉名義でも活動。


ブログ
「山下泰平の趣味の方法」
http://cocolog-nifty.hatenablog.com/


Twitter
@kotoriko


【明治娯楽物語とは?】



(本書より図引用)


目次

はじめに 書くはずのなかった人間が書く混沌とした本

〈明治娯楽物語〉がざっくり分かる図と年表


序 章 小説未満の世界 明治の弥次喜多は宇宙を旅する

第1章 超高速!明治時代 五倍のスピードで万事が動く

第2章 庶民が愛した〈明治娯楽物語〉 日清・日露戦争で暴れまわる馬丁たち

第3章 〈講談速記本〉の帰還 無責任体制が生んだ娯楽(エンタメ)の王様

第4章 地獄に落ちそうな勇士ども 長広舌の真田幸村二世&神より強い猪突猛進男

第5章 豆腐豪傑は二度死ぬ ミスター講談速記本・桂市兵衛

第6章 〈最初期娯楽小説〉の野望 「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする

第7章 「科学」が生んだ近代キャラ 嫌われ作家の奇妙な冒険

第8章 〈犯罪実録〉という仇花 強くない、謝らない、いいことしない犯罪者たち

第9章 忍者がやりたい放題するまで 忍者復活の影にアメリカの怪力女あり

第10章 恐るべき子供豪傑たち 大人をボコボコにする少年少女

終 章 不死の聖


主要参考文献一覧