柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

皆川博子長篇推理コレクション3 知床岬殺人事件 相馬野馬追い殺人事件

巧緻な犯罪計画の上で繰り広げられる男女の愛憎劇を、トリッキーかつ哀切に描く二長篇。皆川博子傑作ミステリコレクション、第3弾。

定価
3,300円(本体 3,000円)
刊行
2020/06/24
ISBN
9784760152308
判型
四六判
ページ数
416

内容・目次

内容

極寒の地を訪れた映画ロケ隊を襲うスタッフ転落殺人事件! その容疑者は二重人格の女!?――『知床岬殺人事件』。矢で射殺された騎馬武者姿の男の死に端を発する連続殺人とその背後に見え隠れする戦争の暗い翳と哀しき人間の性――『相馬野馬追い殺人事件』。
巧緻な犯罪計画が進む中、複雑に絡み合う男女の愛憎劇を、物理的トリックを駆使しつつ描き切った二長篇。
トラベルミステリ全盛時に発表されながら、他の数多あるミステリ群とは一線を画す、皆川博子ならではの人間の宿業に深く切り込んだ、今こそ読まれるべき傑作コレクション!


【著者紹介】
皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年、京城生まれ。東京女子大学英文科中退。1970年「川人」で第2回学研児童文学賞を受賞後、72年、児童向け長篇『海と十字架』でデビュー。「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞(73年)、『壁――旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(85年)、『恋紅』で第95回直木三十五賞(86年)、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞(90年)、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞(98年)、『開かせていただき光栄です』で第12回本格ミステリ大賞(2012年)、第16回日本ミステリ―文学大賞(13年)をそれぞれ受賞。ミステリ、時代小説、幻想文学等幅広いジャンルで作品執筆を手がける。


【編者紹介】
日下三蔵(くさか・さんぞう)
SF・ミステリ評論家、アンソロジストとして精力的に活動。小松左京作品、連城三紀彦作品などのアンソロジーの他、『海野十三コレクション』(創元推理文庫)、今日泊亜蘭『最終戦争/空族館』(ちくま文庫)、『筒井康隆コレクション』(出版芸術社)、『皆川博子コレクション』(出版芸術社)『ミステリ珍本全集』(戎光祥出版)『横田順彌明治小説コレクション』『横溝正史ミステリ短篇コレクション』『由利・三津木探偵小説集成』『新井素子SF&ファンタジーコレクション』(柏書房)など一連の「隠れた名作」の発掘で高い評価を得ている。共編書『年刊日本SF傑作選』で第40回日本SF大賞特別賞(2020年)を、大森望ととともに受賞。


目次

知床岬殺人事件 

相馬野馬追い殺人事件


付録 文庫版解説

解説  赤江瀑


あとがき

編者解説