皆川博子長篇推理コレクション4 花の旅 夜の旅 聖女の島
超絶技巧のメタ・ミステリ『花の旅 夜の旅』、頽廃と官能が覆う幻想ミステリ『聖女の島』――シリーズの掉尾を飾る二大傑作!
- 定価
- 3,300円(本体 3,000円)
- 刊行
- 2020/07/20
- ISBN
- 9784760152315
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 416
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション
- シリーズ
- 皆川博子長篇推理コレクション(全4巻)
内容・目次
内容
旅行雑誌の連載小説と符合するかのように続発する関係者の死――事件の背後に巧みに仕組まれた犯罪計画の罠とは果して? 作中作を軸に展開されるめくるめく犯罪計画を、技巧の限りに描くメタ・ミステリの傑作『花の旅 夜の旅』。
廃墟の島に建てられた不良少女たちの矯正施設。その救済のために派遣された修道女が目にしたのは、施設の人間たちの歪んだ日常だった……。〝見えない恐怖〟におびえる者たちの静寂なる狂気が織りなす幻想ミステリの金字塔『聖女の島』。
コレクションの掉尾を飾るにふさわしい、幻想的な中にも緻密な筆致が冴えわたる二大傑作を収録!
【著者紹介】
皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年、京城生まれ。東京女子大学英文科中退。1970年「川人」で第2回学研児童文学賞を受賞後、72年、児童向け長篇『海と十字架』でデビュー。「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞(73年)、『壁――旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(85年)、『恋紅』で第95回直木三十五賞(86年)、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞(90年)、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞(98年)、『開かせていただき光栄です』で第12回本格ミステリ大賞(2012年)、第16回日本ミステリ―文学大賞(13年)をそれぞれ受賞。ミステリ、時代小説、幻想文学等幅広いジャンルで作品執筆を手がける。
【編者紹介】
日下三蔵(くさか・さんぞう)
SF・ミステリ評論家、アンソロジストとして精力的に活動。小松左京作品、連城三紀彦作品などのアンソロジーの他、『海野十三コレクション』(創元推理文庫)、今日泊亜蘭『最終戦争/空族館』(ちくま文庫)、『筒井康隆コレクション』(出版芸術社)、『皆川博子コレクション』(出版芸術社)『ミステリ珍本全集』(戎光祥出版)『横田順彌明治小説コレクション』『横溝正史ミステリ短篇コレクション』『由利・三津木探偵小説集成』『新井素子SF&ファンタジーコレクション』(柏書房)など一連の「隠れた名作」の発掘で高い評価を得ている。共編書『年刊日本SF傑作選』で第40回日本SF大賞特別賞(2020年)を、大森望とともに受賞。
目次
花の旅 夜の旅
聖女の島
付録① 文庫・ノベルス版解説
『聖女の島』解説 綾辻行人
『聖女の島』解説 恩田陸
付録② インタビュー集
華麗で懐かしい怪異 聞き手・東雅夫
皆川博子インタビュー 聞き手・千街晶之
ロング・インタビュー 聞き手・日下三蔵
ぶつかりインタビュー 定綱が訊く 佐佐木定綱
『夜のアポロン』インタビュー 聞き手・朝宮運河
あとがき
編者解説 日下三蔵