柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

驥尾団子 復刻版 (全10巻)

明治政府がもっとも恐れた漫画諷刺雑誌

定価
198,000円(本体 180,000円)
刊行
2003/11/01
ISBN
4760124543
判型
B5
ページ数
3,800

内容・目次

内容

姉妹雑誌『団団珍聞』に劣らぬ滑稽譜謹と狂画を武器に、明治10年代を縦横無尽に駆け抜け、そして「自害」した、目本近代史上においてもっとも過激なカリカチュール『驥尾団子』の全貌が、はじめて明らかに。


【驥尾団子】とは
内務省を辞めて、団団社を創設した野村文夫(天保7年生、広島藩医の息、洋学者)によって創刊された雑誌。団団社からは、まず『団団珍聞』(まるまるちんぶん)が明治10年(1877)3月24日に発行され、これは明治40年(1907)7月27日の第1654号まで続いた。ついで『駿尾団子』(きびだんご)は、『団団珍聞』の附録より独立して、明治11年10月9日に刊行を開始。『団団珍聞』とともに、得意の狂画・狂文・投書(なげぶみ)で政府要人・官僚らを…風刺し続けた。同社発行の二誌は、大衆から絶大な人気を博し、最盛期の明治13年には、二誌合計で年間34万部以上が発行されている(『東京府統計表』)。その後、この二誌を狙い撃ちにした明治16年4月の「改正新聞紙条例」により、『驥尾団子』は明治16年5月9日の第235号をもって廃刊となった。


『驥尾団子』の特長
1.『驥尾団子』全235巻を原寸で完全復刻
明治新聞雑誌文庫の創設者・宮武外骨が少年時代に愛して止まなかった雑誌を、同文庫所蔵本を底本としてはじめて復刻。
2.図版総点数およそ950点
一九世紀中葉にロンドンで生まれた雑誌『パンチ』にも影響を受けた、「於東京絵(おどけゑ)」「狂画」と呼ばれる、当時最新の技術を駆使して製版印刷された貴重な図版が満載。多色摺の折込16点も忠実に再現。洋画の先駆者・本多錦吉郎による傑作「狂画」は秀逸。
3.発刊禁止も恐れぬ、独自の姿勢
民権と国権が激しく衝突した明治10年代、得意の狂画・狂歌・狂文で岩倉具視・伊藤博文・黒田清隆ら政府要人を徹底的に調刺し続けた『驥尾団子』は、筆禍を恐れた当該期の新聞紙面からは読み取ることができない、本音で語られた資料の宝庫。
4.多様な研究テーマを提供
近代政治史や自由民権運動史研究はもとより、風俗史・メディア史・美術史まで、あらゆるジャンルの研究に利用できる資料。



描かれている12人は誰だ?(明治13年2月18日、第68号)