生涯学習がつくる公共空間
生涯学習の理念と実践的方向
- 定価
- 4,180円(本体 3,800円)
- 刊行
- 2003/12/01
- ISBN
- 4760124705
- 判型
- A5
- ページ数
- 272
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
生涯学習発展の理念モデルを提示し、新しい文化的公共空間形成を見通しながら、自治体の生涯学習町づくり、青年の職業教育、身体表現ワークショップ、高齢者のセルフヘルズフェミニストカウンセリングなど生涯学習の現場を臨床的に検証。
目次
序章 生涯学習における「公共空間」の形成1 生涯学習における「公共空問」への視点
2 生涯学習の学習過程分析と学習者理解
3 「公共空間」における関係性構築の方法論
第1章 成人学習実践の歴史的展開と創造
はじめに
第1節 農業近代化過程における学習の意義
1 農業近代化と農業問題の学習
2 信濃生産大学における学習実践
3 農業近代化過程における学習の特徴
4 50年代を超えて60年代を創る
第2節 もうひとつの生き方を支える学習
1 「成長の限界」と学習のオルターナティブ
2 生活クラブ運動における「生活者」の誕生
3 自然学校の成立と発展
4 暮らしが変わって、社会が変わる
第3節 参画型社会における成人の学習政治主体の形成にむけて
1 市民参加の広がりと社会教育の課題
2 出前講座の推進とまちづくり
3 市民大学講座における参加型の学び
4 政治主体の形成にむけて
第二章子ども・若者の生活世界と自立支援
はじめに
第1節 若者の「居場所」と「参画」学校外支援の方法と必要
1 若者をめぐる現状と政策
2 学校外支援論の展開
3 「場内」と「場外」
4 学校外支援の実際
5 学校外支援と「必要の判定」
第2節 職業体験学習と学校・地域社会の支援
1 体験学習が注目される現在
2 体験学習の歴史的展開
3 体験学習と中学生
4 体験学習の可能性と課題
第3節 あそびの原理がひらく子どもの社会教育実践
――教育関係概念の実践方法論的探求
1 原体験としてのあそびの意義
2 教育関係概念と子どもの教育実践の課題
3 子どものあそび活動の構造
4 あそび活動支援の手法
5 あそびの原理がひらく子どもの社会教育実践
第3章 成人の学習・文化活動における共同性と関係性の探求
はじめに
第1節 身体・表現・自己の快復
1 生涯学習と芸術文化活動
2 身体・表現ワークショップにおけるコミュニケーション
3 自己の快復へ
第2節 映画の共同鑑賞における共感の知覚化と「学習的アプローチ」
1 映画鑑賞と社会教育
2 公共機関における映画の普及.活用
3 映画鑑賞における「学習的アプローチ」
4 共同の構築における「学習的アプローチ」の意義
第3節 高齢者の社会参加とセルフ・ヘルプ活動
――北米におけるグループワークの展開
1 高齢者の社会参加の現代的意義
2 セルフ・ヘルプ活動の成立と展開
3 「祖父母の会」におけるセルフ・ヘルプ活動
4 日本における相互扶助活動
第4節 女性の市民性獲得への共同のダイナミクス
1 女性の発達観と女性同士の関係性
2 社会参画としての市民性獲得
3 共同性のなかでの対話と平場の可能性
第4章 マイノリティが暮らす地域文化の創造獅
はじめに
第1節 障害児の豊かな「放課後」の保障
1 求められる障害児の「放課後」の保障
2 「障害児放課後グループ」の広がり
3 「ゆうやけ子どもクラブ」の活動から
4 権利保障の視点から生活全体を視野に入れる
第2節 在日外国人による地域の「学習空間」の創造
1 日本社会の構成員としての外国人
2 日本社会の「マイノリティ」としての韓国・朝鮮人
3 川崎市ふれあい館設立要求運動の展開
4 マイノリティの「学習権」保障
第3節 地域多文化教育の展開
1 近代教育を超えて
2 地域多文化教育の事例――ふじみの国際交流センター
3 地域共生の理論と実践へむけて
第5章 生涯学習と職業能力開発の可能性
はじめに
第1節 若者に対する職業的能力向上支援の課題
1 若者と働くことをめぐる教育課題
2 職業のあり方の変革と職業的能力向上支援
3 東京建築カレッジにおけるスペシャリストの養成
4 東葛看護専門学校の教育活動
5 若者に対する職業的能力向上支援の構築にむけて
第2節 英国の資格制度の構築における職業教育と普通教育の連係
1 英国の教育政策の動向と資格制度の構築㎜
2 NVQの資格体系
3 一般NVQの導入――『白書21世紀のための教育と訓練』から『白書成功への学習』まで
4 2000年学習・スキル法と資格体系の構築
5 英国の資格体系と他のEU諸国との共通性
補論 新たな成人性理解と『世代間」の関係論的アプローチ獅
生涯学習のシステム的理解への視座
1 なぜシステムとしてとらえることが必要か
2 豊かな学びの主体としての「成人性」
3 新たな生涯学習支援にむけて
あとがき