柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

公認「地震予知」を疑う

なぜ地震は予知できないのか? 政・官・学の現場を知る著者による辛口の批判書

定価
1,540円(本体 1,400円)
刊行
2004/02/01
ISBN
4760124888
判型
四六判
ページ数
240

内容・目次

内容

《本書の内容・特長》
◎ なぜ地震は予知できないのか。地震をめぐる法律と学問の25年とは。阪神淡路大震災後のお役人たちの迷走。「東海地震対策大綱」解読。そして来る大地震に備え我々は何をすべきなのか。
◎ 地震を研究するため世界の海を駆けめぐる、地球物理学者の心配と本音が交錯する、ニッポン「地震学」盛衰記! 政・官・学の現場を知る著者による辛口の批判書。
◎ フィクション2004年夏
「首相が警戒宣言を発令した――ある庶民の一日」と
「警戒宣言2日目の朝――判定会委員の最も長い1日」を収録。
◎ 理科的な図表をあえて使用せず、表・数式アレルギーの読者にも親しみやすいように、つとめて文章で解説。


《本書より》
◎地震発生予測10%から20%は「当たり」ではない◎予知は研究ではないという現代科学の常識◎看板を架け替えて「予知」外し◎地震予知が原子力政策を救った?◎地震を扱う委員会の数は幾つ?◎地震後の対策は「国益」優先◎災害弱者を見捨てるな◎東南海地震・南海地震予知の難しさ


島村英紀(しまむら ひでき)
1941年生まれ。東大卒。理学博士。北海道大学地震火山研究観測センター教授。東大助手、北大助教授、海底地震観測施設長、地震火山研究観測センター長を経て、現職。「地球の事件」を追って、北極から南極まで地球のあちこちを飛び回っている。国際人工地震学会の会長も務めた。ポーランド科学アカデミー会員。著書『地震と火山の島国――極北アイスランドで考えたこと』(岩波書店)で産経児童出版文化賞、『地球の腹と胸の内――地震研究の最前線と冒険譚』(情報センター出版局)で講談社出版文化賞、『地震をさぐる』(国土社)で日本科学読物賞受賞。その他の著書は『地震学がよくわかる――誰も知らない地球のドラマ』(彰国社)、『地震は妖怪――騙された学者たち』(講談社)、『地球がわかる50話』(岩波書店)、『日本海の黙示録――「地球の新説」に挑む南極科学者』(三五館)、『地震列島との共生』(岩波書店)、『北海道の地震』(北海道大学図書刊行会)、『地震はどこに起こるのか――地震研究の最前線』(講談社)、『教室ではおしえない 地球のはなし――硬くない!丸くない!』(講談社)など。また著書『深海にもぐる』(国土社)と『地球がわかる50話』は中学国語の教科書に採用されている。趣味は1940-60年代のクラシックカメラ、中古車の修理、アフリカの各部族の面の蒐集。