柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

三井三池炭鉱炭じん爆発事件史料集成 第Ⅰ期 爆発前史~三池炭じん爆発(裁判関係)

戦後世界最大の炭鉱事故はなぜ起きたのか。第Ⅰ期は三池争議を含む爆発前史と三池CO(一酸化炭素)裁判関係史料を収録、

定価
3,080,000円(本体 2,800,000円)
刊行
2005/01/01
ISBN
4760126600
判型
ページ数

内容・目次

内容

戦後世界最大の炭鉱事故はなぜ起きたのか?
経済復興の繁栄と歪みの象徴・三池炭鉱の膨大な関連史料群を公開
「総労働対総資本の闘い」と言われた三池争議から数年後の1963年11月9日、福岡県大牟田市の三井三池炭鉱で起きた炭じん爆発は、死者458名、労災認定されただけでも839名にのぼる一酸化炭素(CO)中毒患者を出した。この未曾有の炭鉱災害は、「清掃・散水・岩粉散布」という基本動作を怠らなければ確実に回避できたにもかかわらず、保安よりも生産を重視した会社側の経営姿勢がもたらした人災であった。日本の近代化の推進力となり、戦後日本経済の復興を中核で担った三池炭鉱で起きた約40年前の事故は、高度成長期の繁栄の歪んだ姿を象徴するとともに、いまも同様の災害が繰り返されている中国などアジア各国の人たちに向けた貴重な教訓として伝えられなければならない。
本史料集成は、三池CO研究会が収集した史料に加え、大牟田市立図書館所蔵史料や出版に際して提供を受けた史料群を全二期にわたり公開します。第一期では、三池争議を含む爆発以前の史料と、CO裁判関係史料を収録。爆発に至る歴史的経緯と法廷での多角的な検証記録により、三井三池炭鉱炭じん爆発事件の全貌が明らかとなります。


【本史料集成の特長】
1.労働災害史、労働運動史、エネルギー政策史、経営史などの研究の飛躍に貢献する第一級の原史料群が公開される。
2.行政、会社、労組など作成者ごとに史料を整理、当時の動きが克明に解明できる。
3.囚人労働や三池争議に関する初出の史料やビラを多数収録した。
4.1000枚を超える貴重な写真や図面など初出の映像史料を初めて公開、事故当時の状況などが鮮明に再現される。炭鉱社宅の図面も多数あり、建築史の研究にも貢献する。
5.三池CO家族訴訟の全記録と関連訴訟の重要文書が公開される。
6.CO中毒の重要医学論文や議事録も掲載。客観的であるはずの医学がどのようにねじ曲げられていったかもたどることができ、科学史の研究にも大きく寄与する。
7.Ⅰ期・Ⅱ期あわせて4700点を超えるすべての史料について、「文書名」「文書作成者」「文書宛先」「作成年月日」などをデータ化し、史料リストを作成した。
8.史料リストは、CD-ROMにも収めたので膨大な史料が自在に検索できる。


目次

Ⅰ 爆発前史~  I-i 三井鉱山五十年史稿~  I-ii 囚人労働史料~  I-iii 野田春次史料~  I-iv 三池闘争~  I-v 大澤誠一史料~  I-vi 若松沢清草稿~  I-vii 武松輝男史料~  I-viii 三池労組・新労・職組機関紙~~Ⅱ 三池炭じん爆発~  II-i 三池CO裁判史料~   A:家族訴訟・一審(福岡地裁)~   B:家族訴訟・控訴審(福岡高裁)~   C:家族訴訟・上告審(最高裁)~   (マンモス訴訟、和解拒否派訴訟の史料も一部含む)