バラック教会で聖書を読む
教会の中に「教会」を勝手に作って始まった、小さな講義の集大成
- 定価
- 2,200円(本体 2,000円)
- 刊行
- 2005/03/01
- ISBN
- 476012683X
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 296
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
1980年代半ば、京浜工業地帯に近い横浜市鶴見区でのこと。日本基督教団神奈川教区に属する鶴見教会敷地内に突如、無認可バラック教会が現れた。「バラック教会」を立ち上げたのは、一人の教会会員にして、本書の著者である岡安博。教団の運営と信仰のあり方を巡る対立が生んでしまった小さなバラック。でも、トイレもない小さなオンボロ小屋での聖書講義は、時に鋭く、時に暖かく、決していじけず、決して対話をあきらめない、魂に染みこむ説話だった。
20年余りにわたる説話のうちから、本書の刊行委員らが厳選した心に響く説話を編年体でおさめた異色の聖書入門です。
神学者・高尾利数氏の寄稿付。
目次
[※商品とは若干ことなる部分があります。]
根源を問いつつ、この一歩をあゆむ(刊行委員会の言葉)
まえがきにかえて 高尾利数
Ⅰ 私たちはなぜ教会にいるのか
クリスチャンのくせに
教会には人間の赤裸々な姿がある
「右の頬を打たれたら左も出す」という抵抗のしかた
イエスが休息をとるとき
挫折しつつ新しく生まれること
悔い改めのラディカルな真実
ハンディを負うものの叫びに目覚める
イエスが復活したから神を信じた?
「誤りなき規範」という落とし穴
具体的なことに具体的に関わるということ
メリー・クリスマス!
日常生活とイエス
隣人とは誰か
私たちにとってイエスの復活とは
パウロにとってのイエス
Ⅱ ナザレのイエスが訴えるもの
雅歌はおおらかなラブソング
神に「おとうちゃん」と呼びかけた祈り
ソロモンの栄華も雑草にかなわない
負の遺産を担うこと
五千人の満腹
福音書はなぜ四つも書かれたのか
キリストがお金になるとき
パウロの問題意識と私たち
初代教会を批判したマルコ伝
娼婦とイエス
儀式にしない楽しい祭りを
上昇志向をひっくり返す
教会でこそ最も非人間的なことが行われうる
「神の王国」の譬え話
物語の中の処女降誕
Ⅲ 信仰ということ
党派性とその背後にあるもの
「説教は神の言葉」という傲慢
「三位一体」の教理問答
貧者の友は「大飯ぐらいの大酒呑み」
信仰(ピスティス)とはなんだろう
田中小実昌の父とパウロの回心
蒔かれた種のゆくえ
人間パウロの弱さと強さ
極貧者が幸いである
パウロによる信仰の義と恩恵
主の祈り考
主の祈り―アバ父よ―
主の祈り―罪の赦し―
病気なおしと罪の赦し
ペテロの裏切りと慟哭
著者あとがき