柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

三井三池炭鉱炭じん爆発事件史料集成 第Ⅱ期 三池炭じん爆発(続き)~炭鉱災害史/補遺

高度経済成長期の繁栄と歪みを映し出す膨大な史料群

定価
3,080,000円(本体 2,800,000円)
刊行
2007/01/01
ISBN
9784760130696
判型
ページ数

内容・目次

内容

日本最大のヤマとして君臨し、歴史の様々な舞台となった三池炭鉱の歩みは、我が国の近代化と経済復興の道のりそのものであった。世紀をまたぐ三池の歴史に長く埋もれていた史料を掘り起こし、再び光を当てた史料集がここについに完結した。~ 三池の歴史の中でも特筆すべきは、死者458人を出し、戦後最悪の労災事件となった1963年11月9日の炭じん爆発である。爆発後の跡ガスを吸い、839人ものヤマ男が一酸化炭素(CO)中毒患者となった。本史料集成では、この事件の原因や、患者や家族をはじめとする人々の闘いの全貌を、初出を含む膨大な史料で明らかにするとともに、それに至るまでの種々の事象をも詳らかにする。~ それは過去の事件として、単に「現在」を座視するものではなく、今も形を変えて起こり続ける様々な労災事件を考える上での「安全の哲学」を提示しうるものである。日本ではヤマが次々と姿を消し、世界有数の石炭輸入国に転じたいま、三池と同様な事故が頻発するアジア各国への貴重な教訓としても、新たな生命が吹き込まれるに違いない。~ 本史料集成は、三池CO研究会が収集した史料に加え、大牟田市立図書館や刊行に際して提供を受けた史料で構成し、全2期にわたって公開するものである。第Ⅰ期では、囚人労働や三池闘争といった、炭じん爆発が起こる前の史料を「爆発前史」として収録し、事件を巡る民事裁判(三池CO家族訴訟)関係の史料などで構成した。第Ⅱ期と合わせて活用することで、爆発に至る歴史的経緯と多角的な検証が実現する。~~【本史料集成の特長】~①労働災害史、労働運動史、医学・科学史、民衆史、エネルギー政策史などの研究の飛躍に貢献する第一級の原史料群が公開される。~②収録史料は「行政・医学」「炭鉱災害史」などの大項目にまとめた。作成年順に整理し、当時の動きが克明に解明できる。~③事件に関係した当事者の日記や手紙を多数収録した。従来の公文書では窺えなかった新しい視点を提起し、研究の飛躍的な発展に貢献できる。~④炭鉱史上最悪の死者を出した本渓湖炭鉱(中国)の事故関連史料を初めて公開する。方城炭鉱(福岡県)や北炭夕張新鉱(北海道)など、各地の炭鉱事故も収録し、「炭鉱災害史」としてまとめた。炭鉱を事故の観点から研究できる初の史料集である。~⑤労働省(当時)の内部資料や三池医療委員会の内部議事録も初公開する。また、「CO闘争」と呼ばれた全国規模の労働・大衆運動や事故を巡る「裁判闘争」の経緯等を、初公開の運動内部の検討資料やメモから明らかにする。~⑥全2期あわせて5200点を超えるすべての史料に、「文書名」「文書作成者」「文書宛先」「作成年月日」などをデータ化し、史料リストを作成した。~⑦史料リストはCD-ROMにも収め、膨大な史料が自在に検索できる。


目次

II 三池爆発(続き)~ II-ii 行政・医学~ II-iii 組合~ II-iv 会社~ II-v 家族訴訟原告・三池CO研究会~ II-vi 日記~  (1)蓮尾與七日記~  (2)浦田譲二日記~  (3)石原軍喜日記~  (4)清水正重練習帳~  (5)江口尚子日記~  (6)隈元道男日記~  (7)浜田貞雄日記~  (8)松尾修日記~  (9)村上正光日記~  (10)松尾ケイ虹行動日誌~ II-vii 手紙~ II-viii 荒木忍史料~ II-ix 閉山協定書~~III 炭鉱災害史~ III-i 本渓湖炭鉱~ III-ii 三菱方城炭鉱~ III-iii 山野炭鉱~ III-iv 三菱美唄炭鉱~ III-v 三井砂川炭鉱~ III-vi 三池炭鉱有明鉱~ III-vii 日炭高松炭鉱若松鉱(付・貝島炭鉱大之浦鉱業所)~ III-viii 日鉄伊王島炭鉱~ III-ix 新田川炭鉱伊田鉱~ III-ix 新田川炭鉱伊田鉱~ III-x 日炭高松炭鉱二島鉱~ III-xi 川崎鉱業所新川崎炭鉱~ III-xii 古河下山田炭鉱~ III-xiii 北炭夕張炭鉱(「北炭70年史稿」も収録)~~IV 補遺~ IV-i 中国人強制連行関連史料~ IV-ii 三池闘争史料~ IV-iii その他