江戸の穴
- 定価
- 1,760円(本体 1,600円)
- 刊行
- 1990/11/01
- ISBN
- 4760105891
- 判型
- ページ数
- 240
- ジャンル
- 歴史・地理
内容・目次
内容
独特の手法で江戸を復元した好評の既刊『江戸を掘る』の著者が,東京各地に残る遺構=「穴蔵」の謎に迫る。「地下空間=穴」の中から見た巨大都市江戸の実像に,近世都市考古学の方法からアプローチするユニークな江戸・東京論。
目次
はじめに第1章 御茶の水発見の穴
「穴さぐり」●末記
帝都の真中に千年前のメトロ/「群集墓」を調査した担当官上田三平の談話/土地の陥没によって出現した「穴」/群集墓説への疑問/地下式倉庫―穴蔵説/幕府転覆計画―丸橋忠弥の地下武器庫?/遺物が少ないために生まれた諸説
江戸の地下式■室
御茶の水の穴=■室説/小石川伝通院前発見の穴/本郷三丁目発見の穴/地下室は町屋にあった?/江戸の地下式■室/『安政見聞誌』にみえる■室/地下式■室の年代と分布
第2章 穴蔵の話
武家屋敷の地下室
地下空間の調査/真砂遺跡の地下室/江戸の地下室/加賀藩邸―東京大学構内の発掘/記録に残る遺構と残らない遺構/地下室第Ⅰ群遺構は台地上で発見される/地下室第Ⅰ群=「穴蔵」/穴蔵とは何か/本郷邸内「八筋長屋」の穴蔵/穴蔵の実態―非常用の倉庫/武家屋敷の穴蔵の使いみち/鷹匠同心組屋敷の穴蔵/旗本屋敷の穴蔵/武家屋敷の穴蔵の年代
町人地の穴蔵
落語『穴どろ』/『守貞漫稿』にみえる穴蔵/町人地の穴蔵の構造/八丁堀の穴蔵/吉原の穴蔵/『安政見聞誌』に描かれた穴蔵/造船技術から育まれた穴蔵製作の技術/穴蔵の始まりについての諸説/穴蔵に対する禁令/火災への備え/耐火倉庫としての穴蔵/穴蔵の流行と火災に対する有効性/近代文学にみられる穴蔵―『大菩薩峠』と『夜明け前』から
穴蔵の歴史
地下貯蔵の歴史/農村の地下氏貯蔵庫/江戸時代の温室/中国の穴蔵/宋・元代の▲蔵
石組みの穴蔵
江戸城天守閣の盛衰/天守閣の「穴蔵」/江戸城内の発掘/江戸城趾竹橋門内の発掘/発掘された石組遺構と穴蔵/「竹橋」の由来/北丸の整備と竹橋門/竹橋門の構造/石組みの穴蔵/関西の石組の穴蔵蓋
江戸から東京へ
■室の分布/穴蔵と穴蔵工の分布/■室のその後/東京穴蔵大工職業組合/穴蔵大工の人口
第3章 地中の江戸
江戸の発掘
江戸の遺跡/江戸の発掘史
江戸の地形と土地利用
江戸の地形の成り立ち/江戸の原地形/地下室の分布
あとがき
●は、顛の旧字
■は、麹の旧字
▲は、空の工の部分に牛の下に口