アメリカと日華講和
戦後日中関係の起点を国際政治史の多角的に実証
- 定価
- 3,300円(本体 3,000円)
- 刊行
- 2001/03/01
- ISBN
- 4760120556
- 判型
- A5
- ページ数
- 280
- ジャンル
- 政治・経済・社会・教育・民族
内容・目次
内容
講和問題を事例に戦後日中関係におけるアメリカの役割を明らかにした初めての実証研究。アメリカ、日本、国民政府、それぞれの公文書を駆使し、戦後東アジア国際政治の大きな文脈の中で日中関係がどう構築され、アメリカがどのような役割を果たしたかを明かす。「吉田書簡」問題、日華講和におけるアメリカの役割、日本の対中国政策、戦争賠償問題などの諸点で、独自の見解を提示した本書は、国際政治史研究に新たな一石を投ずるものである。
目次
はじめに第一章 冷戦の東アジアヘの波及
1アメリカの戦後構想の崩壊
2中国から日本へ
3人民中国に対する政策
4アメリカの台湾介入
第二章 人民中国の登場と米中対立
1向ソ一辺倒
2西側との関係と革命外交
3人民中国の対日政策
第三章 国民政府の対日政策
1戦争終結直後の対日政策
2賠償要求
3対日講和問題への対応
第四章「日米同盟」形成のための講和
1アメリカの「寛大な講和」
2講和への日本政府の対応
3中国問題での日米協力
第五章外圧利用外交―「吉田書簡」の意味
1「吉田書簡」の作成
2日華講和と日本の世論
第六章 「予備交渉」としての米華交渉
1後退を続けた国民政府の立場
2「平和条約」の名称をめぐる折衝
第七章日華平和条約交渉
1国民政府の基本的立場
2日本政府の基本的立場
3条約名称問題
4国民政府の他の連合国並みの権利問題
5賠償問題
6適用範囲問題
7日華交渉に対するアメリカの対応
おわりに
基本資料および参考文献