柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

さよなら朝日

憲法、沖縄、脱原発……自称リベラル勢力が垂れ流す矛盾と欺瞞を、朝日記者が内部から検証。黄昏ゆくリベラルに捧げる決死の論考集!

定価
1,980円(本体 1,800円)
刊行
2021/03/24
ISBN
9784760153473
判型
四六判
ページ数
296

内容・目次

内容

「めんどくさいやっちゃなあ」と思わせたら勝ち。こういう記者を辞めさせない会社も偉いと思います。――斎藤美奈子推薦


本書の試みを「蛮勇」だとシニカルに冷笑しているジャーナリストたちがいたら、彼らに言いたい。君たち、笑ってる場合じゃないぞ!――井上達夫解説


■内容
七年八カ月に及んだ安倍政権下、なぜリベラルは敗け続けたのか。問われていたのは、国民を愚民視し、不都合な民意をポピュリズムと断じ続けた自称リベラル勢力の歪んだ認識と底の浅さだった。改憲論争、沖縄の基地移転、脱原発……あらゆる局面で垂れ流された矛盾と欺瞞を、朝日記者が検証する。


■目次と抜粋
まえがき
“朝日新聞の中にいながらして、自社の報道を含めたリベラル勢力の矛盾や問題点を問うという行為には、まだわずかなりといえども意味はあると信じたい”


第一章 正義の暴走――世間とジャーナリズムとの共犯関係
“彼らはまずもって「世間をお騒がせした」と謝罪した。しかし、私たちは「お騒がせ」したのが彼らではないことを知っている。「騒いだ」のはメディアであり、「世間」である”


第二章 フェミニズム――目指すべきは差異か? 普遍か?
“意図的か無意識にか、リベラルメディアには「男と女から成り立っている社会」という言い回しが頻繁に登場する。そこに潜む様々な含意を、素通りしないようにしたい”


第三章 憲法九条――リベラルが民主主義を損なうとき
“「条文を変えさせていない=九条をまもっている」という我々の意識が、現実から目を背ける効果を持ってしまっていたのではないか”


第四章 原発と科学報道――リベラルメディアが忘れたい過去
“たとえ後追い仕事であっても、原子力平和利用の推進に新聞が果たした役割を検証することは、その看板の下で取材活動をしている者にとっての責任だと認めざるを得ない”


第五章 沖縄と本土――どちらの民意が重いのか
“本土のメディアやリベラルがすべきは、沖縄で進行している事態への本土の主権者の責任を突くことだ”


第六章 天皇と戦争責任――戦前から持ち越されたタブー
“天皇や皇室に関する自由な言論を許さない構造を作っているのは、リベラル系も含めたジャーナリズムである”


補論 インタビュー
 井上達夫 「自称リベラル」は国民を信じていない
 原武史 「天皇」という幻想
 本間龍 スポンサー企業の新聞社に五輪監視はできない


あとがき 記者に「論は要らない」のか
解説 日はまた昇るか(井上達夫)


■著者プロフィール
石川智也〈いしかわ・ともや〉
1998年、朝日新聞社入社。社会部でメディアや教育、原発などを担当したのち、特別報道部などを経て2021年4月からオピニオン編集部。慶応義塾大学SFC研究所上席所員、明治大学感染症情報分析センターIDIA客員研究員を経る。共著に『それでも日本人は原発を選んだ』(朝日新聞出版)、『住民投票の総て』(「国民投票/住民投票」情報室)など。
Twitter: @Ishikawa_Tomoya


書店様向けPOP


POP送付をご希望の場合には下記メールアドレスまでご連絡ください(DLフリーです)
eigyo@kashiwashobo.co.jp(お手数ですが全て半角に置き換えください)


目次

まえがき


第一章 正義の暴走――世間とジャーナリズムとの共犯関係

 解題

 安田純平は誰に謝ったのか

 「ピエール瀧」は視聴者に悪影響を与えるか――作者の不祥事と作品の価値


第二章 フェミニズム――目指すべきは差異か? 普遍か?

 解題

 「市民」に性差はあるか――「日本版パリテ法」報道への違和感


第三章 憲法九条――リベラルが民主主義を損なうとき

 解題

 国民投票に最低投票率は必要か

 「護憲」「改憲」を語る前に問うべきこと

  第一節 戦後日本最大のアポリア

  第二節 「護憲派」の欺瞞


第四章 原発と科学報道――リベラルメディアが忘れたい過去

 解題

 「アストリッドの死」にニュースバリューはなかったのか

 「原発報道」は戦後ジャーナリズムの敗北の原点である


第五章 沖縄と本土――どちらの民意が重いのか

 解題

 あなたの街に米軍基地は要りますか?

 『ウルトラマン』とマイノリティ――在日琉球人が生きたヤマト


第六章 天皇と戦争責任――戦前から持ち越されたタブー

 解題

 熱海にあるもう一つの靖国――追悼をめぐる二つの場所

 被害と加害のはざまに生きた官僚――赤木俊夫とヤマショウの亡霊

 忘れられた右翼――五十年目の三島由紀夫、六十年目の山口二矢


補論 インタビュー


 井上達夫 「自称リベラル」は国民を信じていない

  第一節 ポピュリズム批判は「正統」か

  第二節 「正義」を見失った護憲派


 原 武史 「天皇」という幻想

  第一節 平成流の新たな「国体」

  第二節 「象徴」と「国民」の未来


 本間 龍 スポンサー企業の新聞社に五輪監視はできない


あとがき 記者に「論は要らない」のか

解説 日はまた昇るか(井上達夫)